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2018年2月 7日 (水)

あんなチャチなもの・・

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先だって読んだ『ギリシャ人の物語Ⅲ 新しき力』(塩野七生・新潮社2017年12月刊)の新しき力とは紀元前3世紀にギリシャから中近東、エジプトへ遠征したマケドニアの王アレクサンダーを指す。20歳にして王になり33歳直前にして亡くなるアレクサンダーは12年間故郷に戻ることなく遠征し、自軍より遙かに規模の大きなペルシャ軍と戦った。時のペルシャ王はダリウス。そのダリウスが紀元前331年のガウガメラの戦いで出してきたのが“鎌つき戦車”と“象”だった。アレクサンダー軍が5万に対しペルシャ側は25万とギリシャ軍は兵士の数では圧倒的に不利だった。

ペルシャ軍の“鎌つき戦車”とは馬二頭に馬車を引かせ、二人の兵士が乗る。その馬車の両側の大車輪に長さ1メートルほどもある鋭利な鎌が7本も取り付けらている。その鎌で突進し、敵兵をなぎ倒そうというペルシャ側の魂胆であったが・・・。

この下りで著者・塩野が触れたのが映画<ベン・ハー>の競技会に出てくる戦車。主人公(チャールトン・ヘストン)のライバルが乗る戦車車輪にはドリル状の棒が付いており、このドリルで相手の車輪を破壊しようとするものだった。この戦車を指して塩野は「(ペルシャ戦の)実際の戦闘で使われたのはあんな―ベン・ハーのような―チャチなものではない」とした。ベン・ハーの時代設定(キリストが出てくるので紀元がはじまったばかり)を遡ること3百数十年前に鎌つき戦車を出してきたペルシャ軍もペルシャ軍だがそれを破ってしまうアレクサンダーという若き王は後の世の人々に大王とさえ言われることになる。

そのチャチな戦車をジャケットに使った『ベン・ハー』のレコード(1977年録音)がドイツから届いた。『ベン・ハー』の音楽を書いたミクロス・ローザ(ギリシャ人)自身がナショナル・フィルを指揮をしている。Phase4という録音方式で実は音がいい。書かれた音楽は映画にふさわしいく壮大で決してチャチなものではない。


 

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