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2017年5月 1日 (月)

『羆撃ち』

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少し前になるがNHKのプロフェッショナルという番組で北海道、知床に住み羆を狩る久保俊治という方をドキュメントした放送があり、興味深く見た。そこで、久保俊治・著『羆撃ち』(小学館、2009年刊)という本を手に取った。その久保氏、父親の影響もあり少年時代に狩に接し、10代ですでに猟師になろうと決心。20代で羆狩りのハンターとなる。

久保氏、山という自然の中、羆と人間、生きものとして一対一になり熊を狩るのを流儀としている。鹿や熊の習性を観察し、学びながら何日もかけて山の中で羆を追う。そんな山の中で彼が感じる自然との一体感を感じる文章がすばらしい。実際に体験したものでなければ書けない描写の数々である。

冬山で倒したばかりの鹿の体内で久保氏が手を温めることが書かれている。自分が乗るソリを曳く犬で同じ行動をとろうとしたアメリカ人作家の短編を読んだことがある。また、先年ディカプリオが主演男優でアカデミー賞を獲った映画「レヴェナント蘇えりし者」ではディカプリオが死んだばかりの馬の体内に潜り、嵐を凌いだシーンもあった。人は寒さが堪えられない。

本の後半、生まれて間もない真っ白なアイヌ犬を譲り受け、訓練し、猟に伴う。フチと名付けられた牝のアイヌ犬はかしこく勇敢で、猟のかけがえのない同行者に育つ。

『羆撃ち』で描かれたのは著者の猟の前半生。NHNの番組で今現在、執筆する姿も紹介されていた。久保氏のその後の山、自然、猟、羆への関わりを知りたい。









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