« 山は緑に | トップページ | 暑かったり、寒かったり »

2016年5月 4日 (水)

バラカ

20160503_dscf1880

『バラカ』(桐野夏生・著、2016年2月刊、集英社)は東日本大震災で原子力発電所が次々に爆発し原子炉が熔解、放射能が拡散した後の世界を背景に描いている。震災に見舞われた人々は震災履歴で自己を語り、周囲もまた震災履歴でその人を知る。

東京も放射能に汚染され、首都機能は大阪へ移る。富裕層はシンガポールなどへ海外脱出。東京の高級住宅街には海外から来た労働者が住むようになる。政府は反原発派を抑えこみ、放射能の現状を隠すことに力を注ぐ。・・・と設定は起こり得る未来図。

登場人物は自己本位で、主人公バラカの養父の気持ち悪さといったらない。主人公バラカは成長して10歳となり、ヒロインとなることもなく自分勝手な大人たちに翻弄される。著者の筆致は少し散漫だろうか・・。構成が物足りない分、読後感には不満が残った。

津波で家族を失い、放射能により希望を捨てた人間はいくらでも愚かになれる。


|

« 山は緑に | トップページ | 暑かったり、寒かったり »

② 見て聴いて読む!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 山は緑に | トップページ | 暑かったり、寒かったり »