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2016年3月12日 (土)

『ギリシア人の物語』

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昨年末、購入していた『ギリシア人の物語』(塩野七生・著、新潮社刊)をようやく読むことができた。塩野作品は途中で止めると投げ出すことがあるので、一気に読むに限る。

この『ギリシア人の物語』はそのⅠで「民主制のはじまり」がサブタイトル。タイトル通り、紀元前のギリシアの都市国家であるアテネが舞台の中心となる。最初はギリシアの人間的な神々の紹介から入るが、次に国(都市国家)の成り立ち、政体、憲法といった基本が抑えられる。そして、重点が置かれるのが紀元前5世紀の第一次ペルシア戦役、第二次ペルシア戦役となる。戦役の相手は「王たちの王」クセルクス率いる大ペルシャ軍である。今ならイランからトルコけかけての2000キロもの道のりをかけてやってきたペルシア軍は地上とエーゲ海でギリシアの都市国家連合軍と戦うことになる。果たして小(ギリシア都市国家連合軍)は大(ペルシア軍)に食われるか・・・。

塩野七生は強く、しかも頭の切れる男が好きである。『ローマ人の物語』で言えばカエサル、この『ギリシア人の物語』で言えばアテネ軍を率いるテミストクレスがそれにあたる。ヘロドトスなど著名な歴史家の説も引用しながら、残されていない歴史を自分で集めた材料と取材、加えて彼女独自の視点―この男ならばどう考えてどう行動する―で推察し、話を展開させる。そこが、塩野作品の最大の魅力となる。

「常に決断が遅く行動に移るのも常に遅いスパルタ」と塩野のスパルタ評に何度も笑ってしまった。そう、“辛辣さ”も塩野作品の魅力のひとつだった。


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