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2016年1月13日 (水)

素顔

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昔、知人の女性ディレクターから「山崎豊子さんはほんと普通の大阪のおばさんよ」と聞いたことがある。女性の父親が関西の経済人で山崎豊子を知っていたらしい。

『山崎豊子先生の素顔』(野上孝子著、文藝春秋)を読んだ。著者は1962年に大学卒業以来52年間、作家・山崎豊子の秘書を務めた。相性もあるがこれだけ長い期間続いたということは互いに立場を認めたということだろう。

山崎作品を読んだ印象から有能なスタッフを幾人か揃えた事務所を設け、膨大な取材をし、あれだけの作品群を執筆したものと思っていた。しかし、実際は山崎自ら現地へ足を運ぶ取材、題材になり得る人との出会い、編集者たちの協力、そして野上さんという秘書がいて生まれた小説の数々であった。

山崎豊子は中国共産党総書記・胡耀邦(こようほう)へ取材の要望を言えることができるおばさんでもあった。戦争に関わり苦難な時代を生きた人たちをなんとしても小説として描かねばならなかった執念の人だった。




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