わたしが一番きれいだったとき
深夜のラジオでたった一曲聴いたことが脳裏に残り、沢知恵のCDアルバム『わたしが一番きれいだったとき』を求めた。2005年のアルバムだが、沢さんの伝えたいことが充分に詰め込まれている。
沢さんのこのアルバムは全てピアノの弾き語りである。それが何故なのかは、一度聴いてみるとわかる。個性的なのである。誰にもマネのできない、詩の選択、強い主張、時にコミカルと韓国の血をも感じさせる独自の世界を作っている。詩への曲は彼女自身の手になる。
詩で言えば、このアルバムで採り上げられた<わたしが一番きれいだったとき>と<自分の感受性くらい>は2006年に79歳で亡くなった茨木のり子の作品である。「わたしが一番きれいだったとき」は国語の教科書にも多数載ったとあったが、わたしは知らなかった。茨木さんは大正15年生まれなので、先の大戦終戦時は二十歳くらいである。確かに“わたしが一番きれいだったとき”になる。ちなみに、彼女が埋葬された地がイナカーナからほど近い海坂のある地区とあった。ご主人の実家の寺だと思うがその地は海に面している。墓からは海が見えるかもしれない。
沢さん歌には魂が感じられる。他のアルバムも聴きたくなった。
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