tuiutouto3.0
ウィリアムス浩子のアルバム『a time for Ballads』の一曲目、<モナ・リサ>を新たに加わったこのスピーカー<tuiutouot3.0>で聴いたら、その上品な甘さに溶けてしまいそうになった。ボーカルをこれ以上ないように聴かせる、おいしい音域だけをを抽出したかのようなスピーカーである。
以前―と言ってもずいぶん前―アメリカの大きなオーディオイベントで話題になった、この上位機種のスピーカーを聴いたこともあり、その魅力は知っていたが<tuiutouot3.0>もジャンルは偏るが絶品のボーカルを聴かせる。簡単に言えば“若く瑞々しい女性ボーカル専用”と言ってもいい。
ヴァイオリンやピアノの高音もきれいに出る。今はないメーカーのツィーターが優れているのだろう。音場は広いが、キャビネットの小ささから楽器のボディ感までは出ない。また、編成の大きな楽曲も得意ではない。キャビネットの形状や木の素材、ユニットの選定や組込み技術といった製作者のチューニングが見事なスピーカーである。
気を抜くと、tuiutoutoとすぐに意識がなくなる、つまり寝てしまう。
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コメント
こんにちは
ピアノブラックが小粋なスピーカーですね。
密度の濃い歌声が聴こえてきそうです。
以前、ソナスファーベルの小型スピーカーから流れていたアナカランの歌声を思い出しました。
曲名は『アントニオの歌』でしたがフワッと聴こえるというより如何にも密度のある印象的な音でした。
同じアルバムを買い私の古いシステムで聴きましたが聞こえ方が随分異なったことを覚えています。
思うに現代のスピーカーはマイクを通した音を効果的に聴かせるのだと感じています。
拙宅のスピーカーはwestrex london , wharfedale W3 プロトタイプ、wharfedale W4 、westrex 用パワーアンプに1930年頃の英国劇場用アンプ BTH 。
そして wharfedale W3 ,W4 をQUAD II で音楽を聴いております。
英国に長く住んでおりましたためか必然的にプリアンプ以外は英国製になりました。
それぞれ思い入れが深いのですけれども、特にワーフェデールをブログ主さまがお持ちになられ、また創設者briggsさんの弟さんのお孫さんでしたか、研究者の方が数年前に著されたワーフデールの本を読まれているのに感銘を受けました。
私もワーフデールを聴くと20代30代を過ごした英国の日々、空気感が蘇ってまいります。
夜霧、小雨、心地よいアイロニー、人々と相対する時の適度な距離感。
あの時のそういった空気感が不思議に蘇ります。
話が横道にそれてしまいました。
福岡に帰ってもう15年になりますがやはり日本の自然と季節、お年寄りの微笑み、日本語の情緒と美徳。
何よりそのようなこの国の代え難い喜びを大切にして、それらを享受出来る未来へと繋げていきたいですね。
☆nogamiさん
コメント、ありがとうございます。
素晴らしいスピーカーの数々とアンプですね。劇場用アンプということですから、お持ちのスピーカーには、ボーカル、クラシックと派手さからは距離を置いた味のある音を出されているように思います。
>私もワーフデールを聴くと20代30代を過ごした英国の日々、空気感が蘇ってまいります。
夜霧、小雨、心地よいアイロニー、人々と相対する時の適度な距離感。
そうですか、実際に過ごされた方の実感をお聞きすると
今更ながら、その国で誕生した音楽の背景の深さがうかがえます。
わたしのESL57、W3、エアデール、アキシオム80もイギリスから遥か遠いこの国で、今年も夏の暑さと湿気になんとか耐えていかねばなりません・・。
海外旅行からこの国に帰ると、電柱をはじめ車窓の風景に幻滅することも多いのですが、いつのまにか見慣れた風景に安堵してしまう自分もいます。
nogamiさんも良き機器で良き音楽を愉しまれますように・・。
グールドの帽子
投稿: nogami | 2015年5月12日 (火) 12時07分