« 再び、寒い | トップページ | 水仙屋敷 »

2015年4月 6日 (月)

髙田郁『あい』

20150403dscf6690

『あい』(髙田郁・著 2015年2月刊 ハルキ文庫)は「みをつくし料理帖」シリーズの作者の手による時代小説である。明治時代に72歳にして北海道開拓に入植した関寛斎という実在の人物に材を取り、寛斎の妻である<あい>を主人公とした物語。北海道開拓で名を残した寛斎であるが、それまでは蘭方医として千葉、銚子、徳島で開業し、それぞれの土地で医療に専心している。その間、寛斎を支えた妻<あい>がどのような生まれの女性で、いかなる生き方をしたのかが描かれている。著者が主人公に選ぶ女性たちはいずれも健気であり、見守る視線はやさしい。

主人公<あい>はその生き方において柔らかく、かつたくましい。洪水をはじめとする度重なる困難が次々に来ようと前向きに乗り切る。ただ、あいは多くの子を産み、半分の子を亡くす。あいの夫は医者で患者の命を救うが自分の子をこれだけ死なすというのも、その時代の医療の限界としか言いようがない。現代でも開発途上国ではその衛生状態の悪さから幼い子どもたちの多くが亡くなっている。・・・、子を亡くす親ほど悲しいものはない。

この物語、私がプロデューサーならNHK朝の連続テレビドラマ(a.m.8:00)の原作にする。ただ、舞台(ロケ場所)が多く時代ものだけに予算がかかる。局は渋るだろうが・・なんとか交渉で粘ろう。大河だと、知名度がない(視聴率が取れるか!)と言うことでボツの可能性が高い。

本の表紙を見ていたら、著者の郁は“いく”ではなく“かおる”だったと今頃になって気づく。みをつくしシリーズをあれだけ読んだというのにこの“ていたらく”はなんだ。



|

« 再び、寒い | トップページ | 水仙屋敷 »

② 見て聴いて読む!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 再び、寒い | トップページ | 水仙屋敷 »