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2014年7月 7日 (月)

破獄

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吉村昭著『破獄』(新潮文庫)を読んだ。破獄と言うのは刑務所からの脱獄のことである。主人公の佐久間清太郎は生涯に4度、脱獄する。佐久間の身体能力と獄舎や看守への観察眼があり、刑務官との攻防が興味深い。時代は太平洋戦争を挟み、当時の社会情勢や生活、戦争状況と刑務所の関わりにも触れる。すべてに厳しい状況の中で人と人、知力の戦いである。著者は敢えて佐久間の内面には踏み込まない。各刑務所の直接の責任者の脱獄を阻む対策を具体的に描くだけである。著者の作風をそこに感じる。

少し前に、深夜のラジオで元女子バレーの選手が好きな映画を語るコーナーがあり、彼女がとりあげた映画が『ショーシャンクの空に』だった。原作はステーブン・キング。これも脱獄の話だった。このラジオでの話が書店の平台から『破獄』をわたしに選ばせた。

『破獄』を読むと当時のこの国の刑務所の実情や刑務官たちの苦労も知ることができる。あの有名な網走刑務所の当時の現状も知ることもできる。そこへ佐久間という斜視で小柄で見た目がさえない、しかし、超優秀な犯罪者がどうやって脱獄を果たしてしまうのか・・、ハリウッド映画では味わえない読む面白さがこの小説にはある。

こうして、夏の読書ははじまった。





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