« 遅々として | トップページ | 朝6:30 »

2013年12月29日 (日)

とっぴんぱらり

20131221dscf7801_2

<ひょうたん>を小学生の頃に作った覚えがある。確か、学校で育てたひょうたんを収穫し、家に持ち帰ると水に浸けた。しばらくして、ひょうたんの中の実を出し乾燥させた後、色を塗り、表面をラッカーで仕上げたと思う。出来栄えは気持ちとは裏腹に中ぐらい。その後、ひょうたんは何年か部屋にあった。やがて、人生において数えきれないほどの片づけをするうちに「これはもういいや」となった。それ以来、ひょうたんに興味を持つことはなくなった。

万城目学の『とっぴんぱらりの風太郎』の作中、ひょうたんは常でない不可思議な存在として物語を膨らませている。そういえば、主人公である風太郎が関わりを持つ豊臣のねね様、その旦那様だった秀吉の戦の旗印が瓢箪という説もあることから、『とっぴんぱらり』の着想や材はこの辺からも練られたのだろう。

この小説、時代小説の味がしない。言葉遣いもまるで現代。主人公は名前からしてプータローだし、忍者の仕事にあぶれてひょうたん作りに精を出す。最初と最後の戦いを見事に描いて、著者の作風と感覚の新しさが面白い。

小学生以来だが、小さなひょうたんが欲しくなった。つまり、小説の出来がいい。


|

« 遅々として | トップページ | 朝6:30 »

② 見て聴いて読む!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 遅々として | トップページ | 朝6:30 »