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2013年5月 6日 (月)

吐く男

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♪ジョジョはブロードウェイのネオンがお気に入り・・・、ボズ・スキャッグスが腿を枕に煙草の煙を吐いていた頃、社会人になって1年半のわたしはたぶん、会社への坂道を時にため息を吐きながら歩いていた筈だ。会社は山の手線から郊外へ向かう沿線のひとつめにあった。平地にある駅から商店街を抜けると少し急な坂道に突き当たり、会社は坂道を上った数分先の距離にあった。

当時は企画とか販促の仕事だったので当然帰りは遅く、終電だったり、企画の最終段階では徹夜になった。徹夜と言っても完徹まではならず、少し仮眠をし応接室のソファーでな何度も夜明けを迎えた。その応接室から眺める風景は下に会社の倉庫、離れた向かいには5、6階のビルでその時間はいつも人の気配がなかった。

時に「自分は何をやっているんだろう?」と思うこともあったが、仕事の多くはそんなものだ。あれがやりたい、これをやって見たいといざ仕事に就いても、望みに近づける機会が多くない。実際、仕事に就くとなんて不自由でなんて狭い世界なんだろうと思うことになる。

ボズのアルバム<ミドルマン>。JOJOの中に出てくるジョジョは拳銃を隠し持っている。不満のための拳銃ではなく、オモシロオカシク、ブロードウェイで
生きるための拳銃だ。世界にはいろんな事情があるらしい。

月曜の朝、わたしはボズの顔に似合わない高い歌声を思い出しながら時にため息もついて会社への坂道を上っていた。



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