« ナダーレ | トップページ | 等伯とデザイン »

2013年3月 1日 (金)

等伯

20130222_r1544662


『等伯』(日本経済新聞社、2012年9月刊)は<松林図>で知られる長谷川等伯を主人公とした安部龍太郎の小説。時代は戦国、七尾(石川県七尾市)で一介の絵仏師として修行していた長谷川信春が京に出て、狩野永徳と競いながら等伯として名を馳せた生涯を描いている。

信長の比叡山焼き討ちをはじめ、見るに耐えないものまで見てしまう性分の信春(等伯)の行動は見ることによって物や人の真実を確かめたい絵に憑かれた業と言える。

そういえばダ・ヴィンチも首吊りをスケッチしたり、人の解剖に立ち会っている。その手で慈愛に溢れたマリアも、そのマリアに抱かれた幼子キリストも画いた。また、『等伯』ではダ・ヴィンチの<モナ・リザ>の模写を<ジョコンダ>として紹介し、信春が目にすることにも触れている。

知ってる?先斗(ぽんと)町の由来。七尾では御馳走のことを“ごっつぉ”(イナカーナも同じ方言を使っていた)と言ったり、帳簿が複式簿記(ヴェネツィアで開発されたもの)としてすでに伝わっていたとか、由来や細部もさりげなく面白い。

等伯は愚直にして粘り強い。秀吉と等伯の最後の勝負<松林図>まで安部の筆致も等伯に負けずに粘り強い。



|

« ナダーレ | トップページ | 等伯とデザイン »

② 見て聴いて読む!」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ナダーレ | トップページ | 等伯とデザイン »