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2013年2月18日 (月)

ミント氏の白い息

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ハァー、パシャ。ハァー、パシャ、パシャ。うす暗い部屋の中、窓からの光だけでミント氏はシャッターを切った。フィルターに吹きかけた息が消えないうちにフィルムを巻き上げては、何度もシャッターを切る。笑ってとか悲しげにとか被写体に野暮な注文をミント氏はしない。言葉のコミュニケーションはなしだ。僅かな光が微妙にぼやけ被写体をフャインダーの中に浮かび上がらせる。その一瞬一瞬をミント氏は切り取った。

数ヵ月後、ミント氏の写真はウイスキーを買った方へもれなくプレゼントのカレンダーとなって酒屋に置かれ、ポスターが店頭に貼られる。ポスターの中の女性はもの憂げな顔と半分裸で窓辺に佇んでいた。ふぅーん、・・・。ポスターを眺めたわたしは他のもっと安いウイスキーを買ってアパートへ帰る。そんな時代もあった。


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