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2012年9月19日 (水)

映画<天地明察>

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本屋大賞の原作は読んでいなかったが、なにせこの暑さである。35℃を越える暑さ対策には映画館の暗闇と冷房と椅子である。

この映画、とても丁寧に作ってある。碁打ちで算術にも秀でた安井算哲(岡田准一)が会津藩主の命を受け土地を計測し、後、暦の正確性の真偽を競う様を描いている。出てくる小道具、道具がよく再現され、江戸時代の算術の世界を見事に映像化したことは高く評価できる。しかも、算哲の試行錯誤や度重なる試練が算哲の妻えん(宮崎あおい)との絆とも合わせストーリーが進められている。

“北極出地”という土地の緯度を計測する旅が面白い。算哲の上司として旅を共にする武士、笹野高史と岸部一徳のコンビの仕事ぶりが見もの。旅の出だしの膝を高く上げながらの歩数計測からして笑いを誘う。算哲の碁のライバルである本因坊、算術のライバル・関孝和(日本史の教科書に出てきた)、算哲の師、会津藩主、水戸光圀といった登場人物それぞれの気概ある生き方を見るといい。教科書より一遍の映画だ。苦難を乗り越え成長する若者の姿がある。

といいことずくめなのだが今ひとつ迫るものがない。京都の公家が類型的だったり、見えない敵が不明瞭だったり、藩主や光圀はりっぱなキャスティングなのだが・・やはり足りない。

思うに、すべて過不足なく描いたことで安全で健全な青春映画になってしまった。人の成長に欠かせない毒が欲しい。


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