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2012年8月18日 (土)

獣の奏者

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上橋菜穂子の<獣の奏者>(講談社文庫)、Ⅲ探求編、Ⅳ完結編を読んだ。ページをめくる手が止まらない。夏の寝苦しい夜の読書には最適である。

はじめて読んだ上橋の作品は新潮文庫の<守り人>シリーズである。何年か前のその時期、この社の文庫で一番売れているという宣伝がされていた。見れば、表紙は普段なら手に取ることさえしないようなお子さま向けのイラストだった。しかし、売れているのにはそれなりにわけがあるのだろうと購入した。当りだった。主人公である女用心棒の身を切らせて骨を切る格闘シーンが良かった。著者の上橋は空手?を習っていると、どこかで読んだ記憶がある。シリーズは全て読んだ。


そして今回の<獣の奏者>。先のⅠ闘蛇編、Ⅱ王獣編に続くストーリーである。主人公エリンが育てた王獣が敵の闘蛇(闘うために訓練された巨大な蛇)をことごとく殺戮してから11年の時が過ぎ、エリンはイアルを夫とし、ジェシという男の子を育てている。Ⅲの探求編はその家族の物語でもある。上橋は研究者(オーストラリアの先住民アボリジニ)としての思考を基に植物や昆虫、生物への興味溢れる観察眼で物語をより豊かにする。

闘蛇?王獣?読んだことのない人はきっと笑うのだろう。

『家族の平穏な生活を脅かす国と隣国の敵に、ついにエリンは決意する』と帯の文句みたいになってしまうⅣ完結編なのだが、結末は読む人のお愉しみということで・・・。

子ども以上に大人も喜ぶ上橋の上質なファンタジーである。



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