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2012年6月 5日 (火)

Oさんの写真展

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亡くなって一年が経とうとする知人であるOさんの<写真遺作展>に出かけた。海坂の小さなギャラリーでそれは開かれていた。

O氏と知り合ったのはもう二十年ほど前になる。私が音楽を聴き始めた頃、オーディオ製品を購入した時の電器店の担当者がOさんだった。 Oさんは地元の高校を卒業後、東京の専門学校で音響を学んだ。その専門学校を出ると音響の仕事に就き、よく知られたコーラスグループのコンサートなどに携わった。そして、帰郷し、電器店に勤めた。

オーディオをはじめ、お互い共通する趣味と同じ町に住んでいたこともあり会話が弾んだ。その後O氏は海坂へ引っ越したが彼の勤める電器店へ私はよく通った。この時期、移り気な私はJBL、タンノイ、ハーベスとスピーカーを次々と変えたがOさんはスペンドールという渋いスピーカーを使っていたと記憶している。

近年、Oさんが山に登っているという話を聞いたが詳しくは知らなかった。ここ何年か事情があり電器店から私の足が遠のいていたからだ。昨年の5月、イタリア旅行をブログで紹介した時にOさんからコメントをいただいた。Oさんの娘さんがウィーンにいた時、私もちょうどイタリアからの帰途にウィーンを通り、時期が重なったらしい。そんな偶然を喜んだOさんだった。そして、翌月にOさんは帰らぬ人となった。

Oさんの遺した写真はイナカーナの山々と自然の写真だった。赤い海に沈む太陽、夜明け前の青く重なる山々、夕闇迫る雪原の青い空とその上に浮かぶ小さな三日月、雪のブナ林。三脚を使うことのないせっかちな私にはとても撮れない、山歩きして時間をかけてはじめて撮れる風景写真の数々。

そんなOさんが一周忌を迎え、心にすっと染みこむようなとても自然な風景写真を遺した。Oさんの見た風景を生前関わりあった私たちは彼を偲んで見せていただいた。

写真はOさんの<月山山麓ブナ林の残雪 2011/05/27>。亡くなる10日ほど前、Oさんはたぶん奥さんに付き添われ残雪の山に出向いた。




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