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2012年3月22日 (木)

エージェント6

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トム・ロブ・スミスの『エージェント6』(上・下巻、新潮文庫)は元KGB捜査官レオ・デミドフを主人公とした『チャイルド44』、『グラーゲ57』の完結作となる。

さて、今回の『エージェント6』。レオの妻であるライーサと二人の娘が1965年、ソ連の友好使節としてアメリカ、ニューヨークを訪ねたことが事件に繋がる。1965年、当時ソ連はフルシチョフの時代。第二次世界大戦後、アメリカの資本・自由主義とソ連の共産・社会主義が対立した冷戦時代である。国が互いの主義の正当性のために影で汚れた工作をした時代でもある。

そして、『エージェント6』でのレオはある目的のためにソ連から逃亡を計り失敗、アフガニスタンのカブールでソ連軍の顧問として働くことになる。

アフガニスタンと言えば先のニュースによると夜間、兵舎を抜け出したアメリカ兵が暗視カメラを使い現地の家族を銃で乱射、子どもや女性を含む十数人を殺害。2.11にはじまったアメリカの他国への干渉は罪もない人々への惨劇を生み出す。

トム・ロブ・スミスは1979年生まれだから冷戦時代のソ連を実際には知らない世代である。その著者が知らない国や土地、組織を描く。強引さもあるが筆力の勢いが勝る。文庫カバー裏の著者紹介に“2001年、ケンブリッジ大学英文学科を首席で卒業”とある。読む前、首席には思わず笑ってしまったが首席の実力は伊達ではなかった。




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