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2012年2月14日 (火)

<ミレニアム>と<ドラゴン・タトゥーの女>

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そして、小説<ミレニアム>である。スウェーデンの作家で読んだことがあるのはストリンドベリと<笑う警官>のマルティン・ベッグくらいしか思い当たらない。いかにも古く、それほど少ない。この国の国民性とか暮らしがよくわからない。そういえば、車なら頑丈なボルボ。有名な携帯メーカーもストックホルムにあった。買いものはしたことはないがあの<イケア>が誕生した国。

題名の<ミレニアム>は主人公の男性ミカエルが共同ではじめた月刊の経済誌の名まえ。企業の不正な悪事に目を光らす。冒頭、編集者ミカエル・ブルムクヴィストは実業家ハンス=エリック・ヴェネンネルストレムの不正を暴こうと糾弾するが裁判に負け有罪となり収監を待つ身となる。そこへヴァンゲル・グループの前会長であるヘンリック・ヴァンゲルから依頼を受けたミカエルはヴァンゲルの姪であり1966年に失踪したハリエット・ヴァンゲルの捜索にあたる。これが導入部である。

ミカエルにしても実業家にしても企業の会長にしてもフルネームが長くいかめしい。馴染みがないためだが、逆に言えば新鮮かもしれない。今は亡き作者スティーブン・ラーソンは実際にジャーナリストをやっていたせいか、経済誌<ミレニアム>が企業の不正を許さないという立ち位置を熱く描いている。構成は近年のベストセラーにもよく見られる手法。編集者ミカエルと事件の助手になる予定の調査員リスベットの日常を同時進行させ、展開に興味を抱かせる。事件の発生場所が橋ひとつで繋がる島という大きな密室が舞台。これは古典的。

また、作者ラーソンはスウェーデンという国で男性から女性への暴力の多さを小説の中で何度も警告する。福祉が充実した、性教育に熱心な、消費税が25パーセントの国の暗い問題。ちなみに消費税は医療や教育には消費税はなく、出版物や交通は6%、食料品は12%、それ以外が25%と3段階とのことだ。

<ミレニアム>最大の収穫は助手となるリスベットの存在につきる。150センチ足らずの小柄な彼女はオートバイに乗り、背中にドラゴンの刺青を背負う。男からの屈辱を忘れないためにタトゥーを入れるくらいの女である。そんな彼女がミカエルに出会い、どのように変化するのかしないのか、まさしく読んでみないとわからない・・。

<ミレニアム>を原作にした映画<ドラゴン・タトゥーの女>が公開されたが、リスベットを演じたルーニー・マーラが見ものである。鼻、耳、眉ピアスに散切り頭でタバコの吸い方がこれ以上ない見事さである。映画は原作以上の新味は少ないが・・ヒットしだいで続編もすぐに作られると見た。

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