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2011年7月12日 (火)

9日目 サン・マルコの庭

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フリータイムの日、朝一番でやはり、サン・マルコ美術館(修道院)を再訪した。目的はフラ・アンジェリコの<受胎告知>である。うす暗い階段から見上げる天使ガブリエルとマリアの清楚な絵が見たかった。天使の羽が光るのだ。それは羽全体ではなく、塗り込められた何かが光に反射したもの。まるで、光の粒子。

聖書によると、このシーンでは天使ガブリエルが
「見よ、あなたは身ごもって男の子を生むでしょう」と言い、
「わたしは主のはしためです。お言葉どうり、この身に成りますように」とマリアが答えたとされている。

そこで、サン・マルコの絵の印象からフラ・アンジェリコの<受胎告知>に交わされた言葉をあてると、
天使ガブ「(真剣に)あなたは神の子をやどされます。・・どんな気持ち?」
マリア  「神の子ねぇ・・ほんと?」
サン・マルコ2階の小部屋みっつ目に描かれたフレスコ画<受胎告知>なら、
天使ガブ「実はね、あなた神の子を産むのよ」
マリア  「あら・・、(不安そうに)そう、そうなの?」
ついでにウフィッツ美術館にあるダ・ヴィンチの<受胎告知>では
天使ガブ「(おごそかに)あなたは、なんと、神の子を身ごもるでしょう」
マリア  「その前に・・あなた、ずいぶんと真剣なお顔ね」
となる。さまざまな画家のそれぞれの<受胎告知>をセリフで愉しむ。

かつて修道院だった2階に並ぶ小部屋を順番に見てゆく。入り口は狭くロープが張られているから、数人いるとその肩越しに眺めることになる。何人かの学生は入り口に座り込み、描かれたフレスコ画の模写をする。邪魔しないよう、静かに静かに・・。

そういえば、ここサン・マルコはあのサヴォナローラが修道院長を務めた場所でもある。フィレンツェの腐敗とメディチ支配を批判し、ボッティチェッリの絵まで焼かせてしまう信仰に頑な修道僧。火の中を歩いても焼けないと主張した預言者サヴォナローラ。それが実行できずヴェッキオ宮、シニョリーナ広場で火刑にされた。そんな歴史を持つ広場が今は観光客で溢れる。サヴォナローラはフィレンツェのルネサンスを終焉させた。誰かがしなければならなかったとしても、これは時代の流れとも受け取れる。ルネサンスは理想が肥大し過ぎたのかも知れない。

サン・マルコの庭には周りにバラを咲かせた1本の大木が伸びている。もし、最初からこれだけの木に育つことを念頭にたった1本だけ植えられたとしたら、よーく考えられた庭である。

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(5月20日 サン・マルコ美術館にて)

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