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2011年4月 4日 (月)

カナシミノクスリ

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クラシックを聴きはじめた頃、マイスキーの無伴奏チェロ組曲が気に入り、その後、数多くの無伴奏のCDを次から次へと購入。消化できずに・・やがて飽きた。しかし、久しく時間が過ぎて聴き直せばやはり魅力に満ち溢れた曲に変わりはない。

先の週末、機会があり、『J.S.Bach 無伴奏チェロ組曲 鈴木秀美リサイタル』へ出かけた。こんなふうに聴いた。

第1番 ト短調 BWV1007
前奏曲/アルマンド/クーラント/サラバンド/メヌエットⅠ・Ⅱ/ジーグ
穏やかにはじまった前奏曲、全体に質朴で暖かな印象を受けた。鈴木秀美さんの説明もあったが現在使用している(バロック)チェロは胴が厚く、オランダの友人の製作による。14年ほど使用している。床に支えるエンドピンがなく、両膝でチェロを抱きかかえるように演奏する。
第3番 ハ短調 BWV1009
前奏曲/アルマンド/クーラント/サラバンド/ブーレⅠ・Ⅱ/ジーグ
全てまあ舞曲という曲の構成なのだが、後半ブーレから最後のジーグへと次第に熱く盛り上がってゆく。パッセージにカラダが思わず動きそうになる。
第5番 ハ短調 BWV1011
前奏曲/アルマンド/クーラント/サラバンド/ガヴォットⅠ・Ⅱ/ジーグ
フランス趣味の曲想とされる5番。サラバンドがとてもいい。不安気と落ち着きがゆらぐように交互にやってくる。もの悲しいかもしれない。演奏前の解説では第5番のみ指定があり5弦を通常の「ラ」から「ソ」へ調弦してあるとのこと。はじめて知った。

アンコールは第4番のサラバンド。2台のチェロが<ささやきあう>ような曲。サラバンドは好きだな。(ちなみにバッハの無伴奏チェロ組曲は第1番から第6番まであり、多くのコンサートでは1,3,5の奇数番、2,4,6の偶数番に分けて2晩かけて演奏されることが多い)

主催の医師より舞台脇のチェンバロの蓋裏に書かれた言葉(仏?伊?語)の説明があった。「音楽 それは 生きる喜び 悲しみの薬」、災害があった今ほど響く言葉である。

鈴木秀美さんからは地震直後のバッハ・コレギアムの2週間にわたるアメリカ公演や募金を含めて話があった。かの地で英語でインタヴューを受け地震のことをで話していた時は外国語でもありあるぶん冷静でいられたが、今、日本で話すと胸にこみ上げるものがあると・・。

演奏は実に人そのものをあらわす。

300年前(1720年頃)にバッハにより作られたこの<無伴奏チェロ組曲>。弾く人の思い、聴く側の思いが交差したり重なったりして、音楽は膨らんだものとなる。

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