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2010年10月11日 (月)

笹ヶ谷氏の秋鮭

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秋鮭が届いた。しかも、獲れたての生鮭である。長細い箱に貼ってある送り状を見ると、どうやら笹ヶ谷氏が送ってくれたものらしい。笹ヶ谷氏は北ノ森で主に木の実採取と狩猟で生計を立てている。フクミミが年に一度か二度、巨大シイタケを笹ヶ谷氏に送るものだから、そのお返しというわけだ。

笹ヶ谷氏のことだから川に上ってきたばかりの鮭を狙ってザンブと水に入り、まずは二三匹ムシャッと食べて腹に入れた筈だ。そして、再び鋭い爪で仕留めたのだろう。梱包を解くと、鮭の皮に笹ヶ谷氏の爪の痕がしっかり残っていた。

さて、1本まるまる鮭をもらったのはいいものの、シェフは思案した。実は出刃包丁、長く使わないため状態が良くない。錆びまで浮いている。しかたなく、刃こぼれ包丁を懸命に砥いでシェフは鮭に向かったものの、その骨の頑丈なことと言ったらない。生臭さにも閉口した。肩を張り両手で鮭に包丁をあて、必死に頭ををカット。切り身をなんとかふた切れカットしたところで、シェフはめまいを覚え作業を放棄し、横になった。

「もう、限界だ!」たぶん、包丁を砥いだことで体力を使い果たしたのだろう。おまけにあの生臭さだ。筋力が落ちたことを実感したシェフは笹ヶ谷氏の秋鮭に負けを認めた。

笹ヶ谷氏の秋鮭はかくも強い。

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