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2010年9月

2010年9月30日 (木)

銀ノ山温泉 オルノ川

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銀ノ山温泉、旅館に挟まれるように真ん中を<オルノ川>が流れる。いや、オルノ川があったからこそ人が銀採掘坑道へ通じる山道を作り拡げ、お湯を見つけ、宿が立ち並んだ。

とてつもない風や初雪といった季節が動こうとするほんの少し前。宿に泊まる者や宿で働く者、誰もが寝静まった深い闇の中、オルノ川を山から里ヘ渡ってゆくものがいる。“もの”と言っても“もの”ではない山の使者たちはゆっくりあるいは素早く、川の上をつーッと滑るように旅館街を通り抜けた。

寒い夜、シャーーーッ、川のニジマスだけがシャーーッ、水面の上を渡るものの気配を感じては人より何倍も早く山の急を知るのだった。

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2010年9月29日 (水)

銀ノ山温泉2日め 早朝

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まだ暗いうちに目覚めると耳に入ってきたのは川の音。部屋は木造4階にある。宿正面のすぐ下の川に段差があり、そのせいでせせらぎの音が大きい。しかし、昨日に比べればだいぶ音にも慣れた気がした。温泉宿に働く人にとってこのせせらぎは日常生活の中のひとつの音に過ぎない。

この温泉街のとある宿の長男として生まれたSは窮屈なこの土地から高校卒業と同時に飛び出す。大学を出て社会人になり、都会で何年も多忙な暮らしをする。仕事や生活の疲れがワインの澱のように溜まっていった頃、まとまった休暇をSは取る。Sは出かけた旅の最後にアドリア海に面した山の斜面に築かれた街を訪ねる。その街の急な階段をふうふう言いながら歩く。猫に無視される。Sは現地の人と身振り手振りでコミュニケーションをする。たわいないことで笑う。さんざん歩いてホテルに戻り、静かにお茶を飲む。そして、空気や空の色は確かに違うがこのアドリア海の狭い街と自分が生まれ育った山あいの土地も全く同じようなものだと思う。広いは狭く、狭くは広い。
やがて何年か後、川が流れる山あいの狭い温泉に戻ったSは「ラーメンはやっぱりあそこですよね」と泊り客と会話しながら荷物を運ぶリヤカーを押す。
 
ようやく空が白み、山の遅い朝を迎えた。木々と葉が揺れ、さっきまで降っていた強い雨もやがて弱くなった。障子を開け窓から外の景色をしばらく眺めた。布団をかけたり、剥いだりしながら私は朝をゆっくりと迎える。

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2010年9月28日 (火)

銀ノ山温泉1日め p.m.8:00

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「デザートはスチューベンでございます」
聞きなれない名前のデザートだったが
銀ノ山温泉の夕食p.m.8:00、最後に出てきたのは濃い紫のブドウであった。

果物が豊富に出まわる土地にそだったせいか、ひとつ困ったことがある。果物を軽んじてしまう傾向がある。海外での食事の際、愉しみにしていたデザートに果物が出てきた途端、ガッカリしてしまう。デザートくらい手の込んだケーキの類をとつい期待してしまうからだ。

けれど、今回のデザートであるブドウ<スチューベン>のこれまで食べたことのない甘さに目をまるくして食べた。これほどの果物なら誇りを持ってデザートと名乗っても構わない。

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2010年9月27日 (月)

銀ノ山温泉2日め a.m.10:00

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「ハハハ、いいだろう!」

<ポーの国>から一時帰国し、銀ノ山温泉木造4階に泊まったメイ・ヨーク。連れ合いである温泉好きブッチ氏へポストカードを書くと旅館街端の赤郵便ポストにストンッと投函した。そしてa.m.10:00ジャストにチェックアウト。

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2010年9月26日 (日)

夏をしまう

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ようやく晴れたソラの下で運動会が開かれているのか、さっきから表彰式の音楽が聞こえてくる。賞品はノートか鉛筆か?三位までか全員か?

雨で遅れていた稲刈りもはじまった。農家は稲刈りか運動会か、どちらも優先順位は高いからうまく役割り分担をしていることだろう。

シェフは法事で使った座布団を庭の竹垣の上に置き、日干しに励んでいる。軒下のハチは退治したので、安心して干している。洗濯ものも庭中にひろげた。

家中の簾戸をはずし、ふすまに入れ替える。扇風機もプロペラから全て掃除する。秋の陽射しの中、夏をしまう。

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2010年9月25日 (土)

銀ノ山温泉 送迎リヤカー

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「とっ、通るからねー、そこの人、頼むから横あけてくれー!」

銀ノ山の温泉街は入り口で車両通行止めとなる。そのため、宿泊客の送迎はリヤカーの役目となる。狭い道をリヤカーは荷物を載せてスーイスイさ。

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2010年9月24日 (金)

銀ノ山温泉2日め a.m.5:50

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先頭を歩く茶の大きな猫が後ろの二匹を振り返って合図を送り路地に消えると、後ろの二匹の猫もそのあとをすぐに追った。

今朝の集会の議題は何だろう?

激しい雨は上がったがこの暑い夏の暑さから一転して肌寒い雨の朝を迎えている。銀ノ山温泉、a.m.5:50。

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2010年9月23日 (木)

旅の帰り

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旅の帰り、私たち一行はわざわざ遠まわりしてソフトクリームを食べにゆく
この朝、海を越えた遠い北の島では山に初冠雪があったと聞く

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2010年9月22日 (水)

心地

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長袖のパジャマでベッドに入る季節を迎えた
毛布を一枚増やそうか・・・どうしようか
肌寒さが心地いい夜よ

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2010年9月21日 (火)

ネパールのリュック

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旅にでる、一泊だけどね

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2010年9月20日 (月)

ホージーの終り

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法事の翌朝、気の抜けた木桶が風呂場におったそうじゃ

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2010年9月19日 (日)

九月のソラ

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ソラが日々高くなってゆく

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2010年9月18日 (土)

ホージー・ジュンビー

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ひと夏かけて、日が陰る午後に庭木の剪定に励んだ

蚊はわずかの隙間の肌を狙う

燃えるゴミを三度、大量に運んだ

庭は完璧を目指さない

ガラス拭きはひと通り

メイ・ヨークの掃除機は強力だ、3万馬力はありそうだ

畳はメに合わせて拭く

逃げるクモは掃除機で吸い込んだサ

高い脚立に乗り、天井を固く絞ったタオルで水拭きしながら、ヴァチカンはシステーナ礼拝堂の天井画<天地創造>を描くミケランジェロの比べることのできないテーヘンさを知る

話は違うが政治家が事に臨むときに使う「粛々と」、この言葉はうぬぼれがあって嫌だな

玄関を何度も掃く

フクミミは泥の付いたサンダルを履く

蚊の退治中、庭でミントの葉の香り

引き戸の錆びたレールに油を引く

床板にワックスをかけたら、楽しくなって次々に部屋を・・

古い家が少しだけ新しくなり、法事の準備が進められた。

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2010年9月17日 (金)

露店

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宵祭り、本祭り、裏祭りを終えてイナカーナの祭りが終わった。通りがかりに車の窓越しに神社の境内を見たら、露店の少なさに驚く。いつからか足が遠くなり、今年も神社にお参りすることがなかった。家族に小さい者がいなくなったからだ。

メイ・ヨークは幼い頃、祭りの間中、家にいなくて家人に聞くと、案の定、祭りにでかけっぱなしだった。幸い小さな町のほど近い神社での祭りだったので迷子の心配もなく、ようやく捜しにゆくと露店の金魚や食べものづくりを熱心にメイは見ていた。

露店の透明な電球が照らした天幕の赤やオレンジ、青の残光を脳裏に残して祭りが終わる。

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2010年9月16日 (木)

たとえば

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たとえば・・・都会に住んでいたら車を所有することはないと思う。となったら仕事帰りにスコッチの置いている店の木のカウンターに腰をおろそう。ビル・エヴァンスのピアノが静かに流れる中で、ただぼんやりとしていよう。

飲んでいるスコッチが育った風景を想像してみるのもいい。牧羊犬が言うことを聞かないヒツジに手を焼いていそうだ、ふふッ。グラスの中の氷を人差ゆびでクルリとかき混ぜて
2杯飲んだら、近くの地下鉄の階段を降りて帰る。おっと、店に傘を忘れてしまった。

今、イナカーナでは雨が降っている

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2010年9月15日 (水)

ゴミを捨てにゆく

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ゴミを捨てにゆく。“姥捨て山”ではなく隣り州の<安いけどもちろん有料よ・ゴミ焼却センター>へである。夏中かけて剪定した木枝と葉がたまりに溜まった。イナカーナの松の剪定は業者に依頼した。

フクミミの軽ワゴン車<爆音トラカー>は昨年廃車にしたので、つてをたよりに小さなトラックを一日借りることにした。葉は葉でまとめ、木枝は直径10センチ、長さ1メートル以内という持込み制限をクリアするようにノコギリを入れる。時間をかけ枝を短く揃え、種類別にしヒモで縛った。

たまにやる単純な作業、やるまでは億劫だが嫌いではない。

軽トラックで有料ゴミ焼却センターへ3回運び、料金を3度払う。合計580kgになる。しまいには名まえを言う前に受付票が出た。

「アッ、また、あなたね!」と言う意味だろう。

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2010年9月14日 (火)

フクミミの作法

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もちろん、いい作法ではないのだがフクミミは前しか見ない

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2010年9月13日 (月)

発酵

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葡萄が食べきれずシェフはブドウ酒に仕込んだ。何日かして発酵をはじめたブドウの甘い香りが廊下にひろがった。

しかし、香りが強烈で酔いそうになった私はブドウの広口瓶を廊下の隅へ追いやった。

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2010年9月12日 (日)

雨に聴く

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かなり雨が降った。FMからグルダのモーツァルトが流れている。グルダのピアノには惹きつけられる。クセの分だけ個性がある。それを気に入るかどうかは聴く人しだい。

土曜の午後、NHKFMで<ラジオマン・ジャック>をよく聞く。昨年まではクリスマスなど年3回ほどの放送だったが、今年の番組改編で毎週になった。生放送でショートコントをやる赤坂泰彦と雨蘭咲木子のかけあいが笑える。いい作家がいるのだろう。

昨夜はひと月半ぶりで沸かした風呂に入る。夏の間中、シャワーばかりで過ごしていた。お湯の恋しい季節に入っていく。

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2010年9月11日 (土)

晩夏

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アサガオにはすまないが、こんなにも雨がうれしい夏は今までなかった

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2010年9月10日 (金)

部屋

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部屋を片付けていると、片付けていると・・・途中で進まなくなるのである

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2010年9月 9日 (木)

鳥の時間

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「きみ、どうだい、これから新しい世界を見に行かないかい?」
「あなた、それより、今朝の朝食を心配して下さらない」
もうすぐ、夜が明けようとしています。

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2010年9月 8日 (水)

旅と文庫本

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加賀乙彦の小説『湿原』(現在、岩波現代文庫より出版)を読んだのは、たぶん30才頃だろうか。細密な鉛筆画とともに朝日新聞に連載されていたこともあり、すぐに単行本で購入した。

その後、確か新潮社から文庫が出て、この厚くて長い小説をペルーの旅のバッグに入れた。旅の途中、首都リマの人気のないホテル(それはとても長くて暗い廊下を持つホテルだった)で読むにはぴったりの物語を再読した。天井の高い部屋のベッドにあおむけになり古びた電灯を眺めていると、時に忘れ去られたホテルと供に世界から隔離された気分に捉われた。

冷たいバスタブに暖かいお湯をはり疲れを取りたかったのだが、シャワーから出る水はなかなか温度が上がらなかった。お湯に浸かっても腕をもたれかけたバスタブが冷たかった。水が欲しくなりガス抜きのミネラルウォーターをルームサービスで頼んだが届くまで長い時間がかかった。夜になり廊下が伸びたのかもしれない。しかも、届いたミネラルウォーターにはしっかり炭酸が入っていた。

旅はこれだからやめられない。

標高3,
350メートルにあるインカ帝国の中心クスコから現地添乗してきたのは40歳くらいの日本人男性、加藤さんだった。着慣れたシャツとパンツ姿にチューリップの形をした帽子を目深に被り迎えてくれた。彼はロスで知り合ったペルー人の女性とこの地で暮らしていた。

加藤さんは日本からの添乗員と違い、現地の時間の流れで対応してくれた。急がずあわてずゆっくりと互いになるべく気を使わない自然さで。クスコからチチカカ湖のあるプーノへ向かう列車は当時世界最高の標高4,319メートルを走った。酸素不足でただ座って景色を眺めるしかない列車内で加藤さんはこれが手本だとばかりに昼寝をはじめた。列車の周囲にはアンデスの厳しいの山々が広がっていた。この高度で見習うべきは彼の姿であった。


小説『湿原』は犯罪歴ある中年の自動車整備工とフィギュアスケートをする精神の危うい女子大学生が新幹線爆破事件の犯人として捕らえられることが中心となる。東大安田講堂を頂点とする大学側と学生との攻防があり、あの騒乱の時代を背景とする。まさにふたりにとって冤罪なのだが捜査陣の事件への偏った捜査と裏づけで裁判は長期化する。

主人公である雪森厚夫は貧しさと抗し難い欲望のため窃盗を何度も重ね、長年服役。社会に出て自動車整備工としてようやく認められるような歳月を経たにかかわらず、容疑者となる。著者である加賀は精神病の医師であり、刑務所とも深い関わりを持ったようだ。そのため犯罪に詳しく、刑務所内の非人間的な扱いも描く。


ペルー旅行でお世話になった加藤さんに帰国直前、この小説『湿原』を差し上げた。とても重苦しいこの本しか持っていなかったこともある。そして帰国後、旅でお世話になったお礼に文庫本を何冊もダンボールに入れ、加藤さんが住むクスコへ送った。最初に送った際、お礼の手紙をもらった覚えがある。そして、二度目に送った文庫本はかなり後になってそのまま送り返されてきた。加藤さんが引っ越したのかどうかはわからない。彼との連絡はこうして途絶えた。

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2010年9月 7日 (火)

訪問者たち

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猛暑ほどではないがイナカーナも準猛暑ぐらいの暑さが続いている。そんな暑さの中、強い風で窓に吊るしたすだれがあばれて網戸の網に隙間を作った。

その隙間から訪ねてくる者あり。昨夜は床を這うヤモリ、今夜はカーテンにとまるキリギリス。・・まあ、ヤモリにはこちらも驚いたが。

夜になっても30℃の部屋で大貫妙子の歌声が頭に入って来ない。いい加減、涼しくならないものか。と思っていたら今朝から雨になる。夏に入ってから三度目のまとまった雨になりそうだ。

ふぅ、やっと、息をつく。

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2010年9月 6日 (月)

ちょうど5時

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悪い夢を見て、寝覚めのよくないままカーテンから外を覗くと下弦の月が出ていた。よく見ようと玄関に出ると細い中国刃のような月は雲に呑込まれてしまった。やがて、雲はピンク色の朝焼けに染まった。

キンモクセイの薄暗い枝の中で鳥が身づくろいをはじめた頃、オートバイの音が近づいてきて郵便受けに朝刊をコトンッと落とした。

コトンッの音で部屋の時計を見たらちょうど5時。眠れないままにラジオを聞こうか、本を読もうか。

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2010年9月 5日 (日)

バーバー朝顔

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「あぁ、今朝もいい天気、いそがしいたっらないわ」
バーバー朝顔は開店準備に余念がない

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2010年9月 4日 (土)

刺される

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ハチに刺される。ハナモモの伸びた頭をちょん切っていたら右手に痛みを感じた。手袋の上からハチは渾身の針を放った。痛みは人差し指を中心に手に拡がった。

かなり前のこと。ライオン像が入り口に伏すデパートの会長が背任に問われた。ワンマン経営は公私の区別がつかなくなる誤りをよく犯す。当時、取引先の(?)懇意にしていた女が証言に立ち、会長を奈落へと引きずり落とした。話題になった女は自分の行為を<ハチのひと刺し>にたとえた。

確かに、<ハチのひと刺し>は強烈な痛みであった。注射の比ではない。幸い私の声を聞きつけた家人がニラの茎汁を刺し傷に塗り、痛みはほどなく治まった。こんなにまともにハチにさされたのは小学生以来である。

こんなこともあるんだ・・・。

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2010年9月 3日 (金)

葡萄

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シェフが育てたブドウが実った。カラス対策に寒冷紗という幕をブドウに被せ覆ったのだが茶の小さな鳥が何度か潜りこんで、器用にブドウの皮を地面に大量に残していった。このままだとささやかな量のブドウはなくなりそうだったので、目撃者シェフは急きょ今朝、収穫に踏み切った。

<葡萄>、いかにも葡萄。

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2010年9月 2日 (木)

モクモク

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「まだまだ、逃しませんよぅ!」と雲の言う

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2010年9月 1日 (水)

九月の朝

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月はアサガオに、アサガオは月に挨拶する程度で
それほど互いに関心はあるわけではないのですが・・
九月の朝はこんなふうにはじまった

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