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2010年6月 6日 (日)

壹岐正が見た風景

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山崎豊子著『不毛地帯』の主人公である壹岐正(いきただし)は小説の中で「本籍 ○○県○○郡○○町蕨岡杉沢 大正元年十一月二十一日生」(同作品1、新潮文庫)と紹介されている。

昨年から今年はじめにかけテレビドラマ化されたのを機会に原作も手に取り、どちらも愉しんだ。ドラマでは役者たちの演技に思わずニヤリとさせられ、小説ではシベリア抑留体験及び壹岐が帰国してからのこの国の経済成長に伴う裏側を垣間見る面白さがあった。第二次世界大戦と戦後復興という時代を抜きに語ることができない人の姿を描く山崎の取材力、構成力に感心させられた。

さて、壹岐の本籍地に設定されたで“蕨岡杉沢”。聞き覚えのある地名だったので5月中旬の晴れた日、はじめてハンドルを向けた。イナカーナ平野中央の県道を北に直進し、奥羽山脈の左側面にあたる山へ向かう。山地に入ると有名な神社を右手に小高い山を乗り越え、少し走った山際に杉沢という集落はあった。なだらかな山の斜面に家々が固まり集落を作り、折りしも山桜は散り際で、コブシの白い花や八重桜が山里に春の彩りを添えていた。山間の田では田植え機がいくつもの苗箱を抱え作業の最中だった。

冬になればこのあたりも昔ほどではないが厳しい寒さで、あたり一面雪に覆われる。間近の山頂さえ見ることができず、雪か曇天が毎日のようにうんざりするほど続く。この地に暮らすものにのとって春は待ちに待った季節だろう。地名通りワラビがよく採れそうな山地である。
「そうか、ここが壹岐正が見て育った風景か」と集落を行ったりきたりした。

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コメント

こんばんは♪
雪国育ちの人は辛抱強い
と雪国育ちの人と結婚してる人が言ってました
雪山に抱かれた風景の写真を見てふとそんなことを思い出しました

☆エフさん こんにちは♪
そういえば、私も東ノ都で仕事をしていた時に
辛抱強いと言われたことがありました
(本人はそう思っていないのですが)
生まれた土地や自然環境がそうさせる面も
あるかもしれません

とするとエフさんは世界の息吹きが入ってきた
土地柄からして進取の気性に富んだ
活発なオナゴといえるかもしれません?
<グールドの帽子>

投稿: エフ | 2010年6月 7日 (月) 22時53分

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