« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »

2010年5月

2010年5月31日 (月)

東ノ都駅構内にて

20100531_p1320777

急用があり先週、東ノ都への日帰りをする。帰りの新幹線まで時間に余裕があったので東ノ都駅構内を歩きまわる。本屋では目的の本がなく、土産売場を覘く。

「東ノ都バナナ、新製品のバナナクッキーはいかがですかぁー!」
お揃いの洋服でバナナ娘たちがしきりに声をあげ中央通路で
販売に励んでいる。すぐ隣りで苺ミル娘も覇権を競う。バナナ娘は黄色い声で通りがかりの乗客に名物商品を訴求するが苺ミルフィーユは季節限定なのでどちらにしようか迷う客も多い。

さて、
私はバナナ娘と苺ミル娘の対決をひとしきり楽しんだ後、メイ・ヨークがよく持ち帰る芋ようかんを購入する。この日は合計10時間、交通機関に乗った。それに、この芋ようかんにとって、はじめての新幹線の旅となった。

| | コメント (0)

2010年5月30日 (日)

メイ・ヨーク レッスンを受ける

20100527_securedownload3

「やっぱり、レッスンを受けると違うわね」
まだ、ゴルフコースに出た経験は片手で数えるほどだがレッスンを受け始めてからメキメキ上達している・・ような気がする。ひょっとしたらブッチ氏よりいいスコアでコースを回る日も近いかもしれない。イナカーナで木登りはもちろんのこと家の柱登りでも鍛えたアタシだ。中学の時は握力測定でクラス一番だった、自分でも驚いたが・・。
メイ・ヨークはボールの行方をイメージしながらスコーーーン!とドライバーを振りぬいた。
 

| | コメント (0)

2010年5月29日 (土)

矢車草

20100529p1330083

どんよりしたうす暗い雲が平野を覆い、周囲の山々も小雨に煙っている。海坂から車で帰途、運転中に見かけた気温計は11℃と表示され、しばらく走った後の見通しのいい橋付近で9℃に驚かされた。低温注意報が出されているが作物は果たしてうまく育つだろうか。

一方、フクミミはしいたけが出ないとウロウロ歩き、寒さに肩をそびやかした。日常住まう離れの暖房器具はすでになく、再び出すのも面倒がった。どうしようもなく寒いと夕刻、就寝前、二度風呂に入ったフクミミ、実は人一倍寒がりである。

| | コメント (0)

2010年5月28日 (金)

続・カッコウ

20100527p1330109

寒い日が続いている。そんな空の下、カッコウが遠く近くで鳴いている。カッコウも木陰でこの寒さに「もういい加減にしてくれよ」と抗議しているに違いない。

折りしも、クーベリック指揮、バイエルン響のマーラー交響曲第1番『巨人』を聴きはじめたら、第一楽章でカッコウ一族が総出で鳴いている。
この曲をネットで検索すると「オーボエとファゴットが4度下降する動機を示す。これは全曲の統一動機であり、カッコウの鳴き声を模したとする解釈もあるが、いずれにせよ、自然を象徴するものと考えられている。このカッコウは鳥であるカッコウそのものというよりは自然の象徴として使われている」(Wikipediaより)
と解説されている。

なるほど、統一動機、自然の象徴ときたか。でも、しかし、自然の象徴というよりはカッコウそのものとして聴いたほうがボヘミアの自然や森への想像が豊かにひろがる。
そういうわけで、これから時間をかけてカッコウからはじまる<DGマーラー・コンプリート・エディション生誕150年記念ボックス>を聴いていこう。このボックス、CDが18枚だ、カッコウ!

| | コメント (0)

2010年5月27日 (木)

初カッコウ

20100527_p1320796

昨日、今年初のカッコウの声を聞く。町中でも高い木にいるらしく鳴き声だけで姿は見えない。うぐいすと違いカッコウははじめから上手に鳴くので人里に来る前に陰でこっそり稽古を積んでいるのかも知れない。うぐいすが鳴き声公開実践派だとしたらカッコウは石橋叩き慎重派だ。尋ねる機会があったら血液型も教えてもらおう。

| | コメント (0)

2010年5月26日 (水)

アヴェ・マリア

20100525_p1330043

AURAというクラシックのア・カペラグループがあり、アルバム『TOCCATA UND FUGE』を聴いた。バッハの曲が多いが、いずれもたくみな編曲がなされ女性5人の声だけで聴き応えがある。冒頭のトッカータとフーガはテクニックの限りを尽くす。アルバムにとっていかに最初の曲が肝心か見本のよう。

シューベルト、バッハ=グノー、カッチーニの三種のアヴェ・マリアが取上げられており、私は以前からカッチーニがとりわけ気に入っている。AURAのそれは音階が半音下がったり上がったり、加えて声同士が重なるとゾクゾク、快感でさえある。

| | コメント (0)

2010年5月25日 (火)

巣の依頼

20100524p1320880

「これぐらいの水量じゃ、巣はムリだよ」
ビーバーはなぐさめるように私に言うと、ポチャンと水たまりに飛び込み
北米大陸へ帰っていきました
ひらべったい尾がすぐに水面から消えました

急に大量の雨がイナカーナに降ったので
水に浮かぶこんもりした巣が作れないだろうかと
ビーバーに依頼した私の方にどうやら調査不足があったようです

水に飛び込む前、ビーバーはニッと笑ったような気がしました

やはり、コンクリートだらけの水たまりにビーバーは住みそうにありません

| | コメント (0)

2010年5月24日 (月)

雨が西から

20100524p1320871

風のヤツ終日、新緑の細かい葉をサワサワさせ、細い枝をゆらゆら揺らせ
それから、雨が西からやってきた
「まったく、しょうがないな・・」ヨロコビを半分くらい隠し
庭掃除の予定を部屋片付けへ変更する

| | コメント (0)

2010年5月23日 (日)

シェフ弁当

20100521p1320747

・黒米おにぎり(塩味)
・海苔にぎり(梅干し入り)
・黒豆煮
・焼き鮭
・海草煮もの
・クルミ甘絡め風
・キウリ和芥子漬け
・たくわん
(赤飯パック入り)

歩いて15分の駅から早朝の特急列車に乗ることがある。家族それぞれはシェフ弁当を手に改札を通り、駅の階段を駆け上がる。行き先は東ノ都だったり、東南アジア、北アフリカ、ユーラシア大陸の遺跡や街角だったりする。列車の窓から流れる雲や過ぎ去る水田を眺めながら質素な弁当を食べる。そして、これから訪ねる土地を思い描く。
しかし、おかずは何でも構わないと私が言ったため、この日のシェフ弁当には卵焼きがないことに気付く。

| | コメント (0)

2010年5月22日 (土)

牡丹ダウン

20100521_p1320650

用があり、午前5時に目覚ましで起きた朝。あたり一面が霧に包まれていた。盆地でもなければ、町中に川を持たないこのあたりではとても珍しいことになる。

牡丹前線がもっと北へと駆け抜けた。

| | コメント (0)

2010年5月21日 (金)

シェフ トマトを植える

20100507_l1450090

「こっちのトマトはおいしいぞぉー、ラベルが私を呼んでるわ」
鍬で土を起し畝を作り、種類の違うトマトの苗を何本もシェフは植えた。戸外なので苗を守る風除けを設置する、これが肝心!夕方までたっぷり働いた後でお風呂に入り汗を流した。
今日もなんて充実してしているんだろうとシェフは思う。

二、三日後、「疲れがでた」とシェフは雨と一緒に休みを取った。

| | コメント (0)

2010年5月20日 (木)

風が渡る 風を切る

20100512p1310742_2

そこのキミ、スポーツドリンクばかり飲んでるんじゃない!
ん?ゆるやかな風が平野を渡ってゆき、私はペダルをグーンと踏み込む

体も世界も水に満ちていく

| | コメント (1)

2010年5月19日 (水)

ハナミズキ

20100518p1320447

ハナミズキ、そう言えば歌にあったかもしれない。
美しい名称だが、帽子コレクターとしては山帽子(別名、アメリカンヤマボウシ)
のほうに一票を投じたい。コレクションした私の帽子はクロ、グレイ、茶といったとても地味な色合いでいかにも北の印象が強い。シロかピンクのヤマボウシも時に被ってみたいものだが、たぶん吹き出されるのがオチだろう。

| | コメント (0)

2010年5月18日 (火)

蛙鳴

20100510p1310745

ほぼ田植えも終わった平野が夕闇に包まれる頃、カエルが一斉に鳴きはじめる。
風呂に入り窓を少し開けたら、カエルたちの鳴き声が飛び込んできた。

果たして一枚の田んぼに何匹のカエルがいるのか、なわばりはどの程度か、求婚はうまく行きそうか。散歩の折、尋ねたが気配を察したカエルたちは急に鳴きやみ、答えてくれない。
そういうわけで、イナカーナに住むカエルの蛙口を未だ把握できないでいる。

| | コメント (0)

2010年5月17日 (月)

カートを押して

20100517_p1320109

国道沿いのスーパーはセール目当の人で混みあい、そういえば自分もその中の一人に過ぎない。お一人様二個までの砂糖や濃縮3倍昆布つゆ1.8ℓをカートに入れ、そのまま押して駐車場の車へ向かう。そんな日曜の昼少しまえ、彩雲が出た。
彩雲は吉兆とも言われるが根拠はないらしい。少し、残念ではある。

| | コメント (1)

2010年5月16日 (日)

あの角を曲がる

20100512p1310856

ジェラートは次の角を左に曲がった店にしようか」
旅行に行けないので地図で遊ぶことにする

大きな地図を購入した。A2という新聞1ページほどの大きさで、巻かれた帯に太いゴチックで「世界一美しい地図 誕生」と書いてある。自ら世界一美しいとのたまうチャッチコピー。
実は去年から目をつけていたのだが、中々決心がつかないでいた。しかし、この5月で発刊記念特別定価が終わり、6月から2,100円も定価が上がる。人のふところまで考えてくれる販売戦略。
罠にはまり、手に入れた。もちろん、ジェラート売り場までは載っていないが・・。

| | コメント (1)

2010年5月15日 (土)

グリーン・ゾーン

20100512p1310715_2

映画<グリーン・ゾーン>を見た。マット・ディモンはボーンシリーズをはじめ気に入っている俳優である。マットは映画に合わせた身体づくりをしてくるし、格闘シーンにも体を張っている。

内容はイラク戦争直後のバグダッドでの大量破壊兵器を捜す兵隊の話。戦争前はあるあると騒がれ、戦争後はどこにも見つからなかったあれだ。通訳となったイラク人の最後の科白がこの国で生きる人の真の言葉だろう。監督グリーングラスの演出は手持ちカメラで臨場感に溢れ、最後まで見るものの気を抜かさない。

さて、最近アメリカ映画を見てつい考えてしまうのは映画の技術的な質の高さである。ハリウッド資本は世界を市場としているため、予算も莫大で<グリーン・ゾーン>にしても、あの<アバター>の特撮にしても映像として手抜かりがまるで見られない。画面に入る細部まで実に念入りに作られ、映画に奥行きを与えている。たくさんの才能あるスタッフがカメラの背後でじっと息を潜めて撮影を凝視している様子がうかがえる。

俳優と監督が気が合い、加えて信頼関係ができると<グリーン・ゾーン>のような映画が生まれるのだろう。以前よくあったが俳優が製作・主演で作られる映画はつまらなくなる場合が多い。わがままを主張と思い込み自分に甘く周囲も甘くするからだ。俳優は俳優に徹して欲しい。マット・ディモンの演技にはうぬぼれがないのがいい。

| | コメント (1)

2010年5月14日 (金)

サムサノナツハオロオロアルキ

20100513p1320054

寒空だ。毎年、田植えの頃に寒さがやってくるが今年の寒さはやはり問題。苗が水田の中で震えている。根の活着が良くないと丈夫な苗に育たないことになる。
江戸の昔だったら、冷夏→稲実らず→年貢が無理→名主へ相談→代官所へ直訴→あえなく却下→月並みなドラマはこうしてはじまる。

天気次第で野菜が高騰するのだから、工場で水耕栽培という手もあるがどうもお日さまの下で育たないとおいしくなさそうな気がする。自然や環境が悪化していけばそう言っていられなくもなるのだろう。しかし、この国に豊かな水がある限り土で育った穀物、野菜が食べたい。

世界に目を向けると人口増加と飢餓が共存し、さらに金融という津波が押し寄せ悪さをする。そんなニュースを見て複雑な思いをしながらも毎日の糧である米やパンや水はなんとおいしい。

| | コメント (1)

2010年5月13日 (木)

朝のこのいそがしい時間に

20100512p1310371

「チュンチュン、ねぇねぇ、あなたは帰るとき、大きなつづらと小さなつづらの
どちらがご希望かしら・・・?」
裏の畑でシェフがあたり一面の雑草をよっこらしょと抜いていると
そばで一羽のすずめがうまく飛べないふりをして
先ほどからまとわりついて騒いでいます
けれど、シェフは雑草を抜くのに懸命で
おまけに、つづらに興味もないので
すずめを相手にしないのでした

| | コメント (0)

2010年5月12日 (水)

山の桜

20100512p1310593

部屋の炬燵を片付けて一週間になるが寒い日が重なり、あの心地よさが恋しい。八重桜を見に出かけた山にはまだ山桜が少し残っていて薄い花びらを周囲に舞わせていた。
その後行ってみたい場所があり、再び車に乗り足を延ばす。それは、後日紹介したい。

| | コメント (0)

2010年5月11日 (火)

新緑の候

20100509p1310440

若葉が日毎にぐんぐん成長する季節となった
フクミミはあまり出ないシイタケを宅急便で送り
シェフは雑草と戦っている
ところで私は「ハーバード白熱教室」(NHK教育)が・・理解できないでいる

| | コメント (0)

2010年5月10日 (月)

犬の力

20100509_p1310409

『犬の力』(ドン・ウィンズロウ著、角川文庫、上・下巻)は南米を舞台にし、30年にも渡る麻薬捜査官と麻薬カルテルとの抗争を描く。題材が麻薬だけに暴力と血で目を背けたくなる場面が多いのだが取材と社会情勢を踏まえたウィンズロウの筆力は圧倒的だ。とりわけ回想、場面転換、構成が巧みでスタイリッシュだ。パレーラ兄弟をはじめ、キャラクター全てがとても濃く描かれている。唯一、不満を挙げるとすればどこか映画で見たような印象が感じられることくらいだろうか。
訳者のあとがきによると「もうマフィアの役はやらない」と語っていたロバート・デ・ニーロがあと一度だけとこの作品を映画化していると言う。
著者ウインズロウの略歴の中にロンドンで私立探偵ともあるが、なんとなく胡散臭くていい。

| | コメント (0)

2010年5月 9日 (日)

メイ・ヨーク ネパールをゆく

20100509_144

メイ・ヨーク特派員からメールが届いた。ネパールに着いた途端、赤シャツ隊の抗議行動(共産主義思想の毛派が首相退陣を求め飛行機をはじめほとんどの交通機関をストップさせた)に遭遇した。以下はそのレポートである。

ネパールではたびたびストライキが起こることがあるそうですが、
いつもなら1日くらいで収まるのが、今回は長かったようです。
今回の旅行はネパール人がガイドだったので現地の状況を今までの経緯と合わせて
割と正確に把握することができたように思います。
実際はお祭り騒ぎのような感じで特に怖い思いはしませんでした。
帰りの機内の読売新聞に「ネパールの毛派行動激化」とあり、
また松明を持った人々だけがクローズアップされた写真として掲載されていたのを見て
初めて、実際の様子と違うものの、こんな風に報道されたらすごく心配するだろうなあと
思いました。
マスメディアはともすれば多角的に見えなくする一面もあるので、
その報道の仕方は難しいなあと・・。


車は通行止めとなり、初日を除くほとんどすべての観光地を歩いて廻りました。
1日10Kmは歩いたと思います。非常に疲れました。
が、人々の生活が垣間見れてとてもよかったです。
車が走っていないせいか、よりゆったりしたカトマンドゥの雰囲気に浸れました。
ヒンドゥー教と仏教が混在していてそれをよしとする寺院や人々、
道路を牛が普通に歩いていたり、牛は食べちゃいけないけど水牛は食べてもOKという
よくわからない宗教観、365段の階段を登れば1年間お参りしたことになる寺院等々、
独特の「ゆるさ」が心地よかったです。
(ネパールにて、メイ・ヨーク 写真・ブッチ氏)

| | コメント (0)

2010年5月 8日 (土)

晴読雨読ときどきシイタケ

20100508_p1310227

フクミミは本を読む。月に二度は近郊の本屋へ出かけ大量の本を購入する。主な読書傾向を見るとビジネス、成功者の体験談、政治家に関した著作が多い。この日も豪腕と呼ばれる政治家を扱った本が含まれていた。政治家には断固とした信念と個性がなければならないとフクミミは常日頃思っている。
今年は天候不順でシイタケがうまいぐあいに育たない。その分、本が読める。

| | コメント (0)

2010年5月 7日 (金)

花の代償

20100507r1461518

菜の花に気をとられ、片足の靴が泥にすっぽりはまる。靴の泥デコレーションケーキの完成である。周囲の草を大量にちぎり、泥をぬぐう。これを花の代償と言う。

| | コメント (1)

2010年5月 6日 (木)

路地を進む

20100505_l1450022

生まれてから中学一年まで聡史は海坂と呼ばれる土地で育った。それ以降は父の転勤に伴い住所を何度も変え、転校も重ねた。転校した土地土地では言葉も変えた。しまいに東ノ都駅から電車で20分ほどの距離にあるかつて猟師町だった土地に住まいを持った。・・・そして、聡史は僅か一週間前、長い海外勤務を終えこの国に戻った。帰国前に送った100個を少し超えるダンボールも届かないうちに郷里を訪ね親戚の墓を参り、花を供え線香をあげた。海外だと親戚の不幸にも戻ることは難しかった。
帰りの飛行機まで時間の余裕ができ、思い立って少年時代過ごした町へ数十年ぶりに足を向けた。城跡から数町離れた複雑に路地の入り組んだ町。町名はやはり変更されていたが遠い記憶を頼りに路地を歩き、架かる小さな橋を手がかりに「確か・・この路地の突き当たりにも堰があった筈・・・」と歩みを進めた。大都市と異なりバブルや再開発の手が伸びることもなく路地は今も残っていた。しかし、ようやく検討をつけた自分が生まれ育った家と敷地跡はよくあることだが月並みな駐車場に変わっていた。それでも幸いなことに、すぐ近くにあったお屋敷跡はなにもない大きな空き地としてポッカリ残っており、子どもの聡史はこのお屋敷の栗の実を拾いによく忍び込んだことを思い出した。
夏を思わせるような暑さに額の汗を拭いた時、ふいに聡史のそばをすり抜け路地を走り去る半ズボンの子どもに出くわした。いまどき珍しい刈り上げ頭に見えた。手にした捕虫アミも一緒に弾んで走っていった。
・・・一瞬、どういうわけか周囲の音が消え、すぐに聡史は今しがた遭遇した子どもを追うように歩き出した。路地の先に新たな記憶のカケラが見え隠れし始めた。
「そういえば、今日は子どもの日だ」
焼き付けられた日光写真のようにもどかしい風景の中、再び路地を進んだ。それにしても暑い、子ども時代の夏のようだと聡史は思った。

| | コメント (0)

2010年5月 5日 (水)

チューリップの彼女

20100503p1310196

チューリップを見て思い出したことがある。もう、5、6年前ぐらいだろうか、パソコンの基礎を教える講座に通った時期があった。三ヶ月間かけてその講座でパソコンの初歩を教わった(普段使わないことまで・・・が、今はすっかり忘れた)。最初の頃、ツールを使い絵を描く授業があり、ふと見ると私の斜め前の女性は今この時期に咲くチューリップをマウスで描いた。まあ、園児が描くような上手とは言えない真横からのアングルのチューリップだった。しかし、彼女は特筆すべき技の持ち主だった。
授業が始まると講師が教室の前に立つ。割り当てられた当番の声に合わせ、私たちは起立し礼をした。離れた斜め前にチュリッープの彼女が居り、見るとはなしに目に入ったのは彼女の礼する背中の線だった。両手をお腹前で軽く重ね合わせ、とても自然に彼女は34
度ほど上半身を傾け、折り目正しい礼をした。その背中は限りなくまっすぐでほんの少し頭が下を向き、3、4秒静止する。ある種、敬虔なクリスチャンが祈りを捧げるような礼。
そんなことがあって私は授業開始の度に彼女の後姿を捜すことになる。礼に見とれたというわけだ。ポニー・テールが似合い、わざとペンキで汚したジーパンで授業を受ける彼女が洋服販売の仕事に就いていたことを知ったのは何日か後のことになる。
これほどの礼する背中の持ち主ならパソコンで描いた絵など、そう特にチューリップの絵などへたでいいと思うのだ。

| | コメント (0)

2010年5月 4日 (火)

白樺派

20100502p1310091

白樺派(教科書に出てくる)、武者小路実篤は晩年、野菜の絵を色紙に描いた。武者小路の小説『友情』を読んだかどうかはもう忘れてしまったが、絵の野菜は脳裏に思い浮かべることができる。描かれた野菜たちは皆笑っていた。
一方、シイタケ派フクミミがカボチャを持って何日かうろうろしている。フクミミはこってりと絵具を筆に盛り水彩で板絵を描く。絵を描こうと思い立った最初の頃から板がキャンバスだった。近年になり長く親交があった知人たちに板絵を配ることが多くなった。
「もっていけ、かたみ代わりだ」交友なくしてフクミミに人生はない。

| | コメント (0)

2010年5月 3日 (月)

掃除をしよう

20100502_p1310106

やっと、春らしい天気になりつつある。ゴールデンウィークは来客もあり、どこにも物見遊山の予定がない。いつもなかなかできない掃除をしよう。洗面周りをトイレを磨こう、出来れば障子のサンのほこりも拭き取ろう。

| | コメント (0)

2010年5月 2日 (日)

カフェ・ツィマーマン

20100501_1p1300872

カフェ・ツィマーマンという古楽器を使った演奏集団が仏にいる。バッハ関連の書籍を読んでいたら彼らが紹介されており<J.S.バッハ;さまざまな楽器による協奏曲集1>(Alpha 013)を聴いてみた。
曲目はチェンバロ、オーボエ、ヴァイオリンの各協奏曲からひとつと有名なブランデンブルグ協奏曲の第五番が入っている。演奏者が各パートひとりだけで弾き、その分力量が問われることになる。一聴では軽く感じられるかもしれないが丹念に聴くと豊かで生き生きとした演奏である。チェンバロの音色が小さな天使が飛んでいるかのようなこそばゆい感じがして面白い。
演奏場所の礼拝堂の響きがよく、それを捉えた録音も優秀。レーベルであるアルファの装丁は紙を使い、漆黒の縁取りが絵を生かして巧み。絵は「チョコレートを運ぶ女」とあった。
このシリーズは現在4集まで出ている。全部、聴いてみたいと思わせる演奏だ。

| | コメント (0)

2010年5月 1日 (土)

さらば

20100428p1300737

「さらば」散るサクラが言った
「また、会おう」木はおおきく答えた
よく晴れた日はほんの一日しかなかったが、そんな春もある

| | コメント (0)

« 2010年4月 | トップページ | 2010年6月 »