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2010年4月13日 (火)

『八日目の蝉』を再読する

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角田光代はエッセイや短編でも抜群にうまい。まして長編小説ともなるといつも唸ってしまう。
この『八日目の蝉』は前半は赤ちゃんを連れ逃げる女を、後半は誘拐された子、薫が成長してからの姿を描く。女の取った誘拐という行動を愚かと言えばそれまでだが、それは人の危うさを知らないことになる。
後半、薫が成長する過程で経験したいやな出来事、いつしかあの女と同じ立場になってしまう皮肉、触れたくないのに触れてしまう相反する心の動きがせつない。
『対岸の彼女』同様に角田今回の物語も主人公の女たちのラストの距離感が巧みだ。そこに新たに生きることへ踏み出そうとする希望を見る。

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