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2009年9月

2009年9月30日 (水)

旅の途中

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旅の途中、何度か雨に降られた。雨が小降りになるまでと通りすがりの宿場の軒下に佇み、あたりを見渡せばそこかしこの水溜りや戸の障子に血の跡がある。たぶん、何日か前、土地のヤクザの出入りでもあったのだろう。その現場を見たかった気もするがもう後の祭りである。やがて、雨も上がった。
「どれ、先を急ごう」その時、見上げた雲の切れ間から秋の傾いた陽射しが一瞬山を照らし、ススキが揺れて真っ白に輝いた。山の日暮れは早い、先を急ごう。

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2009年9月19日 (土)

旅に出る 

旅に出るというのは口実で実はパソコンが壊れてしまった。
これは病気になった時にも言えることだが実際体験した者でないとわからない。
経験された方の気持ちが今になってようやく理解できる。
なので、二週間ほどブログは休みます。
またの再会を!

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2009年9月18日 (金)

メロディ効果

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メロディ・ガルドーのCD<MY ONE AND THRIL>を聴く。三度聴いて三度眠りに落ちてしまった。メロディも<東京ジャズ2009>で初めて知った。彼女の歌声はとても自然で心地よい。声量で聴かせるタイプのシンガーではない。輸入版なので歌詞を理解できずに聴いており、これでは彼女の歌の半分も味わえていないことになる。とまれ、秋夜はより深くなる。
・・・グゥゥ・・・ん?四度目・・・。

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2009年9月17日 (木)

来客あり

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来客があり対応をする。彼女はオムツ持参である。走りまわり、籐椅子を気に入り座り、鍵盤を叩き、「クワクワクワクワ ケケケケ ケケケケ クワクワクワ♪」カエルの合唱を彼女なりに懸命に口ずさみ、泣かずに帰った。
秋晴れる。

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2009年9月16日 (水)

やもりの夜

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夜、やもりがキッチンの不透明な厚手のガラス窓に貼り付き、白い腹を見せた。「いよぅ、爬虫類科!」今年三度目となるやもり腹見せ興行である。たぶん、家が古いせいだろう。かつて湊町の料亭に足繁く通ったフクミミは料亭の天井にやもりをよく見かけたと聞く。となると、フクミミ家も料亭並みに古くなったというわけか。
目下、フクミミ家ではヤモリ支持派と不支持派が対立してはいるが、<家守>というからには退治するわけにもいくまい。

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2009年9月15日 (火)

稲穂

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秋晴れの午後、西からの日射しが降りそそいだ平野は一面の稲穂で黄金色に染まります。もう、稲刈りは目前でイナゴたちも稲の葉を食べるのに大忙し。畦に人が近づくとサワザワ一斉に周囲に飛び散り葉裏や茎にじっと身を隠し気配を窺っています。こうなると、イナゴ、見てる私、どちらが先に動き出すか・・・我慢比べです。

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2009年9月14日 (月)

晴れたり曇ったり雨だったり

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日曜、部屋の片付けと掃除をした。長らく、夏のほこりを溜めていたものでね。すると、なくした45センチの物差しが本棚代わりのラックの下から出てきたり、読みあぐねていた文庫「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」が見つかったりする。後で読もうと切り抜いた新聞記事は溜まる一方で今回もパス、再び溜めて奥に押しやる。ベッドのシーツを換え、掛け布団も出す。そうこうしていると再び庭の雨音に気付き、あわてて干し物を取り込みに裏庭に走る。天気が刻々と変化するのは楽しい。

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2009年9月13日 (日)

パン屋オイテケ

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そのパン屋はイナカーナの北端に位置し、東に鳥ノ海山、西に夕日付きの海、南に平野が眺望できる山の中にある。山奥なので本当にこんなところにパン屋があるのだろうか不安になったころに店に辿り着くと初めて訪ねた客は言うそうだ。
階段を上がり玄関のドアを開けると正面の廊下にパンのかごが並び料金カードがある。脇のテーブルを見ると電卓が3個くらい置いてあり、客は自分でパンを袋に入れ代金を計算し箱にお金を入れる。だから『パン屋オイテケ!』である。
ひとりでパンを作っているので作業中は電話に出ないし、お金のやり取りもしない。
肝心なパンは皮が硬めで香ばしく「うむ、パンを齧って食べた」という満足感がある。店の立地といい味といいオーナーの意志もパン同様にとても強く固い

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2009年9月12日 (土)

ごきげんな

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先だっての<東京ジャズ2009>に出演した上原ひろみの新作CD「PLACE TO BE」を聴いた。上原のピアノは「この楽しさといったらないぜ」と毛糸にじゃれついている猫の趣き。
今回のアルバム、曲の多くが旅した土地に触発されたもの。それはシシリアのきらめく海だったり、ゴージャスなベガスのギャンブラーたちだったりする。溢れる感情と生きてく途上に出会う悲しみも鍵盤から紡ぎだされる。
ごきげんな曲の数々。どーれ、秋の星空を見ながら次はどの曲を聴こうか。

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2009年9月11日 (金)

公園にて

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海坂でランチにあぶれ、カツサンドと揚げたてコロッケを求め食す。草に座ると、早い雲の流れと黄色い落ち葉。人もまばらな平日の公園にて。

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2009年9月10日 (木)

夜の雨

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早朝の路面には夜の雨が残り、西の空には早い流れの雲間から月が見え隠れする。
昨夜の夕飯は焼いた秋刀魚にレモンをたっぷり、食後にシャリッとした梨が甘い。
秋の扉が開く。

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2009年9月 9日 (水)

サーカス 鉄球篇

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幼い頃、初めてサーカスを見に海坂の城跡公園へ叔母に連れていってもらったことは先に書いた。その折のことである。空中ブランコ以上に期待した出し物があり、それは巨大な鉄球の中をバイクが走るというアトラクションだった。鉄球は表面が網目状で空洞の内部が透けて見え、テントの梁にも届こうとする高さだった。確か映画『マッドマックス』シリーズにそんなドームの中で闘うシーンがあったと記憶している。
演目も中盤、テントの中に悠然と登場した陸王クラスの大型排気量バイクは場内を周り観客にまざまざとその勇姿を見せた後、開けられた扉から鉄の球に入る。バイクは最初、球の下をゆっくり回り走りはじめ、徐々にスピードを上げていく。やがてスピードに乗ったバイクはバルルルルと太い咆哮を響かせ、同時にマフラーから紫煙を吐き出し鉄球内部を斜め上へ回り始めた。ついに勢いを増したバイクは鉄球内頂点を真っ逆さまにグルグル回りはじめる。タイヤと鉄の接触が轟音となりバイクは鉄球と一体となる。するとバイク乗りは豪快に笑い、首に巻いた白いマフラーは真後ろになびく・・・筈であった。
「バイク乗りが病気で入院のため本日のアトラクションは中止します」とテント内にアナウンスが流れ私の大きな期待は口を開けて飛ばされた風船のようにしぼんだ。
鉄球の中で豪快に笑うバイク乗りが病院のベッドで弱々しく点滴を受けている姿にオーバーラップし、椅子から浮いた私の足はなぜかブラブラ揺れるのであった。

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2009年9月 8日 (火)

見えない敵

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「者ども、来るなら、どこからでもかかってきなさい!」
メイ・ヨークは見えない敵に向かって小さくつぶやいた。それにしては隙だらけである。

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2009年9月 7日 (月)

いつも決まった時刻

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いつも決まった時刻あたりに軒下を黒猫が通る。窓際にさしかかるとチラリと私を見上げ、何事もなかったように視線を戻し通り過ぎてゆく。
しばらくして、猫の通った軒下に羽がふわりと落ちた。

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2009年9月 6日 (日)

ヘンリーくん

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「ねぇ、ヘンリー、遊んでばかりいないで私の言うことを聞きなさい」ご主人さまは言う。
イギリスABC家のダイニングでヘンリーは困っている。(ボクは重いし、そもそもこの国生まれなので日本の家電製品のようには軽快には出来ていない)
こんなだから、ご主人とヘンリーは仲がいいとも言える。

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2009年9月 5日 (土)

メイ・ヨークのみやげ

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旅行帰りのメイ・ヨークからみやげをもらった。それは出かけた美術館(イギリスの美術館、博物館はタダ、無料であった)のカウンターなどに置いてあるパンフレット、つまり紙切れ。私なら喜んでくれると選んで持ち帰ったそうだ。みやげは何もいらぬと言った手前、いい判断ではある。

昼過ぎから夜11時までほぼ半日<東京ジャズ2009>(東京国際フォーラム)のライブをFMで聴いた。中でも良かったのはメロディ・ガルドー。メロディは19歳の時、交通事故で一年間寝たきりとなり杖をつき事故の障害でサングラスが欠かせなくなる。このステージを終えた後も体調がすぐれずインタビューを受けることが出来なかった。彼女の静かな歌声が心に響く。
もう一人は上原ひろみのピアノ。上原は世界を旅する中でシシリア、ニュー・ヨーク、パリ?の印象を曲にした。ピアノでベースを爪弾き、ドラムを叩く。パッヘルベルのカノンではチェンバロもどきと面白い。「世界にジャズ・フェステバルは数あれど、東京ジャズのケータリングが一番おいしい!」「せっかくメイクしてもらった化粧が汗で・・・」上原の疾風怒濤なピアノは留まることを知らない。

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2009年9月 4日 (金)

ええい、もどかしい!

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以前読んだ上橋菜穂子の『守り人』(新潮文庫)シリーズは女用心棒バルサの格闘シーンが良かった。今回は上橋の『獣の奏者』Ⅰ闘蛇編とⅡ王獣編(講談社文庫)である。ファンタジーという甘い衣を身に纏おうとも登場人物の悩み、迷い、厳しさがどれほど深く描かれるかで作品は優れたものとなる。不気味な闘蛇、闘蛇さえ敵わない王獣はともにその姿を想像する楽しみがある。
「ええい、ページをめくるのがもどかしい!」ひとり喚いて夜は更けてゆく。

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2009年9月 3日 (木)

サーカスのこと

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小学生になる前くらいだろうか、海坂の城跡公園へ叔母からサーカスに連れて行ってもらったことがある。テントが張られた公園は海坂駅からも離れた場所だったので叔母と私は遠路をバスで出かけた。バスの窓から見る人やデンキン柱、建物は風のように後ろへ飛び去っていく。遠くの景色はそのあとでゆっくり移り変わっていった。街への外出だから叔母はよそ行きの着物姿で私は手作りジャケット、半ズボンにベレー帽くらいのおめかしをさせられていた筈だ。
さて、はじめてのサーカスはシルク・ド・ソレイユなどない時代、今と比べたらそれはやぼったいものだった。かろうじて覚えているのは空中ブランコ、綱渡りくらいでピエロや動物は出ていたかどうかの記憶は怪しい。それ以上に強く覚えているのはもぎりで切符を切った後、有料の座布団の貸し出しがあったことだ。借りたおかげで、お尻を硬い木の長椅子の上で痛めることなく叔母と私はサーカスを楽しむことができた。
チケットなんて言葉もない時代、よもや座布団にお金がかかるとは知らなかった。

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2009年9月 2日 (水)

シェフの節約

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確かに四季のある暮らしはいいものではあるが夏冬は光熱費がかさむ。
家人から夏の電気代、水道代が前の月の1.5倍だと報告を受けたシェフは早速、洗面所においた夏場用冷蔵庫を整理した。もうひとつ気がかりな要因はフクミミが夏場の温度設定15℃で使うエアコンだが、ここのところの気温の下がりようから自然と必要もなくなるであろう。予定外で請求が多かった電話代だったがこれはメイ・ヨークが旅行のため海外と連絡をとったことに因る。催促はもちろんしなかったがメイ・ヨークはさりげなく家計費に入れてきた。
心得た家族とそうでもない家族、家族とはうまくできているものである。

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2009年9月 1日 (火)

タイフーンが過ぎて

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タイフーンはイナカーナに風の痕跡を残すことなく遠い東の海を北上していった。それでも小雨は昼まで平野を濡らし、雲は周囲の山々に終日低くかぶさる。日が落ちると虫の音が聞こえ始めあの夏蝉たちはどこへ消えた。庭のオミナエシに蝉の抜け殻がポツンと残る、もう九月だ。

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