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2009年7月 9日 (木)

八朔の雪

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一昨年の晩秋、東ノ都は神田明神裏参道の階段を上った。
神田明神には裏参道があり、上がりきった先に銭形平次の石碑があった。
平次の住まいは明神下の設定となっており、平次は密かにこの境内あたりで
銭投げの練習に励んでいたものと推測される。エイッ。
大川橋蔵演じる平次のテレビドラマを亡き叔母は楽しみにしており、
この舞台となった神田に叔母を誘い江戸のなごりを見せたかったと切に思った。

さて、小説『八朔の雪』(高田郁・著/ハルキ文庫)の主人公・澪が勤める蕎麦屋
「つる家」は神田明神下御台所町にある。
時代小説には現代のように情報が氾濫していない分、
題材やストーリーにシンプルに思いを馳せることができる。
時代ものはたぶんに人情とかが絡み、うまく泣かせる筋立てとなるが
年配の人がそれらを好むのも年とともにわかりやすく安心できるものを
求めるからだろう。
現代は最近に限らずで殺伐とした事件がトップニュースで流され、
それをまねる犯罪が多く発生する。
弊害は多いがそれでも情報の流れは止められない。
『八朔の雪』タイトルがまずうつくしい。何のことか興味が湧く。
最近コマーシャルなどで耳にする<ガッツリ>という言葉とは
対極にある世界を知ることができる。
出てくる料理のレシピが巻末に付くのもうれしい。

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