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2009年6月27日 (土)

怖いが見たい

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何年か前、イタリアはミラノ、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会という
長い名まえの教会でダ・ヴィンチの<最後の晩餐>を見たことがある。
要予約で人数制限があり、鑑賞に許された時間は15分。
湿度管理がされた教会の食堂の壁に<最後の晩餐>はあった。
修復されたその絵はほの暗い空間に鮮やかに浮かんでいた。
使徒の中から裏切り者が出ると予告するキリスト。
使徒たちに走る動揺。キリストの服、オレンジと青の対比。
静かな空間でじっと見るだけだった。

今回、『怖い絵』(中野京子・著)の中で取り上げられていた
ダ・ヴィンチの作品は『聖アンナと聖母子』。
この作品に限らずダ・ヴィンチの絵の背景の岩山は
淡く霞み中国の山水画にも似ている。
著者は「何もかも全てを語ってしまう小説が退屈なのと同じで、
推測する楽しみのない絵画は味気ない」と的を射る。
就寝前の私はベッドの中で賛成の挙手をする。
また、あとがきで「近代以前の絵画は白紙状態では鑑賞できないし、
知識は決して余計なものではない」とも語る。
これらの絵を前にして知識なき感性は無力ということだ。
『怖い絵』も3巻となり、これで幕を閉じる。
今回も著者の絵の背景を語る博識と辛めの語り口を大いに愉しんだ。

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