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2009年6月21日 (日)

朗読者

090620p1170136

『朗読者』(B・シュリンク著)が映画化され、<愛を読む人>として公開された。
確かに、このタイトルだったら観客は数倍は増える。
ケイト・ウインスレットはディカプリオと共演しこの1月に公開された
<レボリューショナリー・ロード>とは打って変わった佇まいを見せる。
ベルリンのくすんだ街に馴染み、疲れて、率直で、ひっそりと暮らし、
訪れた官能の日々と本を読んでもらうハンナという女。
そのハンナを演じるウインスレットの不安な影を垣間見せる
まなざしは見事というほかない。
文庫本でこの小説を再読したところ、いったい何を読んでいたのかと
思うくらい見落としばかりある。
例えば48ページ、「ハンナはルーマニアで育ち、17歳でベリリンに
出てきて、ジーメンス、軍隊、戦後はさまざまな仕事をしてきた。
そして、この二、三年前から市電の車掌をやっている」
と略歴が紹介されている。
このさりげなさが最後に彼女の生きかたに思いを馳せることに繋がる。
この作品、本で読むと映画を見る、どちらから入っても
甘く、せつなく、深く、苦い。

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