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2009年2月21日 (土)

ベンジャミン・バトン

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「時を戻せば戦死した若者たちも帰ってくる」
自分の息子を戦争で亡くした盲目の時計師が作った大時計の
針は左に回転をしはじめ、映画『ベンジャミン・バトン』は始まる。
生まれたての老人ベンジャミン・バトンは父親に捨てられ、
サブタイトルにあるように数奇な人生をはじめる。
捨てられた場所が老人ホームというのがぴったりで
そこで育つベンジャミンの人生のスタートとしてこれ以上の設定はない。
ベンジャミンはそこでいろんな人に遭遇する。
見世物にされていたピグミー族はとても悠然としているし、
カミナリに7回うたれた老人には、カミナリが落ちる度
に笑う。
ベンジャミンにとって運命の人であるデイジーが
パリで事故にあうくだりの見せ方が興味深く、かつ面白い。
直前のほんの些細なできごとの積みかさねが引き起こす事故は
寸分の狂いもないも必然に思える。
人生を老人から逆行するベンジャミンを描くことでこの映画は
人が年を取ること、人を愛することの悲しさを際立たせた。
何よりもフィッツジェラルドの短編小説に目をつけたことが勝因である。
インド、南米など世界を旅するブラッド・ピットはとても様になっている。
ケイト・ブランシェットは硬質な美を見せる。
主役ふたりの特殊メーキャップが素晴らしい。
その皺、しみのひとつひとつまで丹念である。

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