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2008年11月15日 (土)

イナカーナ人 そば屋をさがす

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上野の山を降り、不忍池を見、神田明神、銭形平次の碑、湯島聖堂と散歩する。
橋を渡って駅沿いに歩き、ニコライ聖堂を右手に仰ぎながらゆるい坂を下る。
11月だと言うのに前日同様に暑い。
折りしも昼時、ワイシャツ姿の人がビルからどぅおーッと出てくる。

昨晩、上野鈴本で柳家さん喬による『時そば』を聞いた。
時そばとはそばを食べ終えた調子のいい男が
代金の十六文をひぃー、ふぅー、みぃと数えながら払う際、そば屋主人に
「今、なんどきだい?」と時刻を聞いて一文ごまかす噺である。
普段、落語を本で読むのと生で見るのとではその差は歴然であった。
扇子でそばをすする音としぐさにそそられた言うならば単純な私は
さっそく、翌日そば屋をさがし歩いていた。
池波正太郎など文人が訪れたというそば屋カンダーラは
ビルの間に忽然と木造家屋として現れた。
片手を上げのれんを潜り、混んでいたので相席で失礼する。
そばを待つ間、聞くとはなしに耳に入るのは相席した三人連れの話。
六十前くらいの男性二人と女性が一人だった。
平日昼だというのに、すでに銚子三本を空け、何年か前の映画で
盛り上がっている。場所柄、出版関係の方々かもしれない。
東ノ都には昼日向から粋に飲める文化がある。

時そばよろしくすすったそばはそば粉と小麦粉のつなぎに
卵を使った細くしなやかでほんのり甘いそばだった。
絶妙なるごまだれのつゆでいただく。
『大ごまそば』は香ばしくとてもおいしかったが蕎麦湯は出ない。
年配の客が堂々一人で入り、これも年配の従業員が客をあしらう。
客と店従業員が同年輩というなつかしい匂いのするそば屋だった。

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