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2008年10月28日 (火)

ゆずの秋

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何年か前、晩秋のこと。
石畳のローマをフォロ・ロマーノ、ヴェネツィア広場と歩く。
街中のトレヴィの泉は横幅の割りに正面に奥行がなく狭苦しい。
スペイン階段に着くと夕日が建物の間に落ちていく時間になっていた。
陽も落ち、食べそこねた夕飯の代わりに街角で焼き栗を買った。
歩こうと思えば歩ける都市の大きさがローマにはある。
そんな街を行ったり来たり歩いている途中、
ふと聞こえた声に誘われ街中の教会に入る。
中では僅かの灯りの下、何人かが合唱の練習をしていた。
立ったまま10数分も聴いただろうか・・・、入り口からそっと出た。
寒いのにジェラートも食べ、充分に歩き疲れホテルに戻る。
ルームキーにさんざん手こずり、部屋に入る。
家族、友人へのポストカードを何枚か書く。
本人が帰国してから後で届く便りだ。
そろそろ、バスルームのお湯も溜まった頃だ。
ゆずゆず、ずずず・・・。
持参した入浴剤を放りこんだ。
晩秋のローマは冷える。
ゆずの香りを嗅ぎバスタブに浮かんでくる泡をぼんやり眺め
ほっと息をついた。

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