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2008年7月 4日 (金)

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

P1010931

遠雷が聞こえる。
イナカーナは待望の雨となる。
映画<ゼア・ウィル・ビー・ブラッド>を観た。

20世紀初頭、石油採掘を巡る一人の石油屋が主人公である。
冒頭の多くの時間を割き、採掘を見せる。
男は石油を発掘、他人の子供を小道具に人の信用を得、
新たな土地で採掘を始める。石油のために入信さえする。
石油屋をダニエル・デイ=ルイスが全編を通して油まみれで演じる。
乾いた大地の映像が見事である。石油が吹き出るまでの作業も丁寧に見せる。
音楽の使い方も粗っぽく面白い。
競争心が強烈で人を好きになったことがないと語る
主人公ダニエルの心の闇は底が見えないほど深い。
石油まみれ以上に血まみれ、業まみれになっていく。
石油屋を演るダニエル・デイ=ルイスの表情、演技は脱帽ものである。
これ以上ないしたり顔さえ見れる。その役作りはただただ凄い。
アカデミーで作品賞が獲れなかったのはやはり完成度だと思う。
そして、21世紀初頭の石油の現実はイカになって現れた。
燃料代の高騰で漁をすればするほど赤字になっていく船。
石油の値上がりはとどまることを知らず、
波及したインフレは次々におそいかかってくる。
経済アナリストは石油がリッター200円になるだろうと
いとも簡単に推測し、政治も国も値上げを止められない。
サブプライムから流れた金が石油へ投機される。
人の欲望は変わらないものだと今更ながら知る。


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