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2008年6月 2日 (月)

<山のあなた 徳市の恋>を観た

P1000342

昔の映画のリメイクは難しい。
前作を越えた作品なんてあったためしがない
・・・なんてネ。
今回の<山のあなた 徳市の恋>は旧作を
観ていないので気が楽だ。

山道を温泉へ仕事に向かう按摩が二人。
この二人のやりとりが面白い。
そして、追い抜いていく馬車。
馬車に乗る女の匂いに反応する徳市。

女が泊まる宿は<鯨や>。
山の中なのにクジラがいい。
鯨にこだわる宿の細工をあちこちに見ることができる。
女学生の猛攻にたじろぐ按摩。
紙楊枝で鼻を子供からくすぐられる按摩(加瀬)のしぐさに笑う。
学生、女学生、ともに昔の顔には全然見えないがそれも愛嬌。
徳市が温泉街路上で見えない女の気配を感じるくだりが興味深い。
画面が徳市の耳となり、女の下駄の音を追う。
映像と音で徳市の感覚を観客に見せる。

また、映画ではなつかしい響きで伝わる言葉が出てくる。
それは鯨やの主人が応える「おうかね」だったり、
子供の「チェッ!」だったりする。
昔の子供はチェッ!と言った。
日活時代の裕次郎も言ったかもしれない。
草彅剛なくしてこの映画は成立しなかった。
役者もつまるところ人間性が肝心である。
冒頭の耳とハッチングを上下させる動き、
最後には足で<こっけいでせつない>徳市を見せる。

舞台設定、脚本に妙味がある。
旧作の功績が大きいと思う。
出来るものならモノクロで観たかった映画である。

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