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2007年10月30日 (火)

フェルメールを見に行く

L1320989

フェルメールの<牛乳を注ぐ女>を見に行った。
場所は国立新美術館、ガラスで出来た落花生みたいな建物である。
何年か前、上野で<絵画芸術>を見て以来、
フェルメールは二度目である。
親戚のABC家の婦人と娘さんもフェルメールのファンで
赴任中のロンドンの家近くにも絵があるというし、
ドイツまで見に行った娘さんからは<地理学者>の
ポストカードをいただいた。いと、羨まし。
「あらー、いいわよ。あなた、見に来ない?」
ト婦人に電話で言われ、誘惑をこらえる。
ちなみにロンドンには<ギターを弾く女>、<ヴァージナルの前に立つ女>、
<ヴァージナルの前に座る女>の三点のフェルメールがある。

イナカーナからの旅人の身なれば、余裕の時間もなく
他の展示物であるオランダ風俗絵画はことごとくパスし
目的の<牛乳を注ぐ女>へ直行した。
その小さな絵は多くの人の前で静かに浮かんでいた。
対して、絵の前の人の波は途切れることがない。さすが日本国である。
5メートルほど離れた正面から筆ノ者は25分は眺めていただろうか。
窓ガラスの割れ目、窓から斜めに射すやわらかい光、
壁に下がるカゴの金色の輝き、漆喰の壁にささる釘、壁の淡い光の諧調、
水差しを支える腕の白さ、かたそうなパン、容器の口とふちの光、
青い前掛けの質感とシワによる陰影。
言えば言うほど言葉は一点の絵の前で無力になる。
左腰あたりから一点の光が反射し、眼に飛び込んでくる。
青い石の極小な断面だろうか。

単眼鏡は忘れてきた。
しかし、鑑賞するには遠い。
もっと近づかねば、細部が見えない。
神は細部に宿る聞く。
列に並び、絵に近づける最前列をゆっくり進む。
歩行しながら絵を見る。
そのほんの何秒か<牛乳を注ぐ女>は
マイコレクションになった。
・・・夢でもね。

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