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2007年10月10日 (水)

しいたけ山の栗 後日ノ譚(はなし)

L1300241

しいたけ山の栗  急の巻> 翌日のこと。
ホグ、ホグ、ホグ・・・ホグ、ホグ。
<羊が丘>は口をあんぐり開け、
栗の焼きおにぎりを食べていた。
ほんのりした栗の甘みとご飯に染みたしょうゆの
香ばしい味が口の中で混じりあう。
ホグ、ホグ、これ以上のシアワセがあるだろうか。

あの思い出したくもない恐怖のなめくじと遭遇し
しいたけ山をこけつまろびつ駆け下りたのはついきのうのこと。
がっかりして肩を落とした羊が丘のもとへ
栗が届けられたのである。
聞いたところ、しいたけ山の(虫じゃなかった)主、
フクミミがもってきたと言う。

昨日、フクミミ朝のしいたけ山見廻りの際、
栗を拾い始めたところ、どうしたわけか・・・
栗がここあそこと山を下るようにして落ちている。
フクミミ、気がつくといつのまにか山を下り
イナカーナ州庁舎の事務局ドア前に立っていた。
フクミミの作務衣(さむえ)の両ポケットは拾った栗で
それはパンパンにふくらんでいたそうだ。
フクミミ、事務局の机に栗を放り出すや、
「食べでくれ!」と言葉を残し去った。

トイレからしょんぼり戻った羊が丘は
机の上の栗山にビックリし、
キョロキョロあたりを見渡した少し後でニコッとした。
というのも、他の事務局員は羊が丘の栗好きを知っていたので
栗はまるまる羊が丘のものになったというわけである。

帰宅した羊が丘、その晩は栗ご飯にした。
洋包丁なのでかたい栗の皮むきは大変だった。
米を研ぎ、栗を入れ、みりんと水加減、待つこと数十分。
炊飯器のふたを開けると湯気の中から
ふんわり炊き上がったご飯が見え、
黄色い栗が見え隠れしている。
胡麻塩(ごましお)をふって食べた。
翌日、残りの栗ご飯をおにぎりにし、
しょうゆを塗ってこんがり焼いた。
フーフー、ホグ、ホグ。
羊が丘はキッチンの椅子で足をブラブラさせた。
これは嬉しいときの羊ボディランゲッジ。
羊が丘のおいしい気分がキッチンの窓から流れ
イナカーナの秋の野山へ広がっていく。

「誰か、栗一個そのまんま入った栗最中(もなか)、
おみやげくれないかな」
羊が丘の虫のいいひとり言が聞こえた。
秋も半ば、<羊が丘>の頭の中は栗のことでいっぱいだ。

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④ フクミミ家 食卓の風景」カテゴリの記事

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