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2007年10月26日 (金)

羊が丘 ブドウ島をめざす

羊が丘は<夢の中>で必死にオールを漕いでいた。
どうやら、自分の乗ったカヌーは海の上らしい。
照りつける太陽、もう水筒には一滴の水も残ってはいない。
暑い!額の汗をぬぐおうにも額は羊毛100パーセントに覆われている。
こんな暑いんだったら、フクミミにバリカンをもたせ、
体の毛を全部刈ってもらってから出かけるんだった。
あれー?ボク羊が丘はしいたけの収穫をしてた筈なのに
どうして海の上にいるんだ。
とにかく、わけもわからないままに羊が丘はオールを漕いだ。
漕いで、漕いで、漕いで、はるか水平線に見えたのは島だ。
「シンキロウじゃないよね」
島に近づくにつれ、島の形がはっきりしはじめた。
島は丸い岩が連なり巨大なブドウに見えた。
ゴックン、最後の唾を飲み込んだ羊が丘は
水を求め必死にオールを漕いだ。

翌朝、目を覚ました羊が丘はヨタヨタと起き、
玄関に置かれたブドウを見つけた。
羊が丘の全身疲労の原因はしいたけ作業というより
風邪によるものだった。
食欲はまるでなかったが、これなら食べられる。
フクミミからのしいたけ作業のお礼だろうか。
口に入れたブドウは甘く冷たく羊が丘の体に染み渡っていった。

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