2017年12月18日 (月)

早朝の待合室 同窓会篇①

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2年前のこの時期、同時刻にイナカーナ駅到着したわたしは少しだけ困っていた。というのもその日は冬の荒れた天候で強風により乗る予定の電車が運行を中止したのだった。

急きょ、乗り継ぐ新幹線が出発する駅までバスの代行運転が決まった。特急電車に沿った道路を走るバスの窓からは重い灰色の空に覆われた海が眺められ、風の煽られた波が岩に当り大きく白く砕け散るのが見えた。案の定、予定の新幹線には間に合わず、別の電車へ振り替えた。予定時刻を大きく回って東ノ都駅に着いたわたしはどうスケジュールを変更しようかと駅舎の入り口へ足を向けた。結局、ホテルへチェックインするまでの時間調整に駅近くの美術館でスペイン絵画展を見たのだった。

そんな2年前を思い出しながら、どうやら今朝の電車は大丈夫、走るらしい。「後2~3分で特急〇〇号が到着しまーす」とアナウンスがあった。同窓会の短い旅がはじまった。



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2017年12月17日 (日)

お遊戯会 同窓会篇②

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夜に同窓会を控えた日の朝8時30分、ピーナッツ州にある幼稚園の渡り廊下で吹き曝しの冷たい風の中に立ったわたしはお遊戯会の開場を待ち並んでいた。

ヒツジ幼稚園は近年ますます開発が進んだ近郊の土地のため、今やマンモス園になり、お遊戯会は午前と午後、しかも二日間をかけて4回も行われる。その最初のお遊戯会のため幼稚園に駆けつけると園の入り口にはすでに長い列ができていた。

ようやく9時に開場したステージのある体育館はすぐに満杯。両脇の人と肩が触れる近さでアオ太とウナバラのダンスや踊りを見た。アオ太はおやゆび姫で“コガネムシ”になり、ウナバラは不思議の国のアリスで“トランプの兵隊”を演じた。最後にウナバラが園児代表として女子1名と一緒にマイクの前に立ち、お礼の言葉を言い、お遊戯会は終了。

園の入り口でお遊戯会の看板を挟み記念写真を撮った。この時、ふたりの父であるブッチ氏はオランダから朝の帰国。ナリータ空港から電車に乗り、家路の途中だった。



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2017年12月16日 (土)

同窓会の翌朝 同窓会篇③

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ホテル10階の窓から夜が明けてゆく東ノ都を眺めた。この朝、7時前に事故があった。ニュース速報があり山ノ手線の電車が止まった。この日が平日で、通勤客だったら困ったことだったろう。

さて、前夜の同窓会。様変わりした駅とその周辺の位置がつかめず、同窓会会場まで本来ならホテルから歩いて15分もあれば行けたのに1時間もかかってしまう。最後にはhachi公のいる交差点の交番で場所を教えてもらった。土曜夜の街はたいへんな人出で、有名なスクランブル交差点ではスマホを頭上にかざし撮影する外国人とすれ違った。

「もう、勤めていたあの頃の街じゃないな」とつぶやきながら、たどり着いた店は交差点からほんのすぐ先のビルにあった。古い階段を上り三階のドアを開けると、すでに若者が数人おり、店の事情を知らないわたしは「今日はよろしくお願いします」と目の前の若い女性に頭を下げた。すると女性客はクスッと微笑んだ。同窓会メンバーがオーナーの店は壁とテーブルだけのモダンな作りで日本酒を売りものとし料理やつまみは持ち込む仕組み。オーナーはわたしに「何なら椅子を持ち込んでも構わない」と言った。店内には静かなJAZZが流れていたがビル・エヴァンスやキース・ジャレットはたぶん合わない。

店の奥、カウンターに場所を取り、やがてやってきた同窓会メンバーと挨拶をし、会費をもらい、しおりとおみやげを渡した。定時になりビールで乾杯。「いやー、久しぶり、元気?」と月並みな言葉を枕詞に・・・・2時間半で同窓会は終わった。りっぱな木のカウンターのおかげて立ちっぱなしだったがなんとか持ちこたえた。2次会のセンター街へ会場を移すとそこも若者だらけで、イナカーナからやってきた還暦人は圧倒されるのだった。

そんな同窓会の翌朝、部屋備え付きの自動洗濯機で洗ったクツシタや下着の乾き具合を確かめながら、ホテル10階の窓から夜が明けてゆく東ノ都を眺めた。ベランダに出ると寒くて肩がすぼまった。


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2017年12月15日 (金)

幸せはパーラーで・・・ 同窓会篇④

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メイ・ヨークと日曜の午後2時、銀ノ座姿勢堂パーラーで待ち合わせた。到着すると、すでにメイはエスカレター前のたくさんの人に混じって並んでいた。

待つことおおよそ30分。テーブルに就くと高級パフェと珈琲を注文した。まもなく清潔印の白テーブルクロスの上ににパフェ用の長いスプーンとフォークが置かれた。わたしが“レ・ミゼラブル”の仮釈放されたばかりのジャン・バルジャンだったら、これもこっそり持ち去ろうかと思わせるスプーンとフォークだ。ちなみにヴィクトル・ユーゴーが書いた『レ・ミゼラブル』、主人公のジャン・バルジャンは妹の子どものためにパン一個を盗み20年の刑に服し、19年目に仮釈放になる。・・19年目だよ。

やがて、静々と運ばれてきたパフェと共にわたしたちは記念写真に納まった。アオ太とウナバラはイチゴパフェの上に乗った大きなイチゴを真っ先に一口でペロリと食べた。

作家の池波正太郎も銀ノ座界隈でよく食事をした。映画の試写会の際、馴染みの店に入り、従業員の客あしらいの良さを筆にしている。姿勢堂パーラーに江戸情緒はないが店づくりと接客に気配りが感じられる。

さて、今回の旅、待望のパフェは食べた。


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2017年12月14日 (木)

銀ノ座の中ツ国人 同窓会篇⑤

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この日は日曜だった。テレビでよく見かける中ツ国ご利用ツアー大型バスこそなかったものの、たくさんの中ツ国の方が歩き、有名ラーメン店に並び、ショッピングを楽しみ、ビルの上を眺めていた。この街の経済を外国人観光客が潤す仕組み。

昔、この国も景気が良かった頃、企業は外国の有名ビルや超高価な油絵を買い、男や女はヨーロッパの洒落た街にあるセンスある―気取ったとも言う―店でブランドもののバッグ、服、靴を買い漁った。経済途上の国は同じことを繰り返す。当時買われたものが今どうなっているかを目にし、落胆しないことの方が遙かに少ないが・・。

今銀ノ座でビルを見上げる中ツ国の方を眺めながら、或は一緒になって銀ノ座を歩く。


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2017年12月13日 (水)

銀ノ座を散策していたら・・ 同窓会篇⑥

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銀ノ座四丁目交差点に有名な時計ビルがある。その歩道でスパイダーマンに遭遇した。

この日のスパイダーマンは地下鉄入り口付近でパフォーマンスの待機状態だった。近くを通りかかったら彼は急に持参のバッグの中を探しはじめた。すぐに目的のものを探しあてるとアオ太とウナバラに歩み寄り、ふたりの手へあるものを渡した。

あるもの!とはミニオンのオモチャであった。実にスパイダーマンはバッグにオモチャを忍ばせ子どものヒーローをやりながら、この国の巨悪と闘っていたのだった。おまけに、スパイダーマンはアオ太とウナバラを両手に抱えあげ、ふたりを喜ばせ、降ろすとオア太を膝の上に乗せポーズをとった。この光景を見ていた群衆が囲むなか、わたしは片膝立ちで縦位置カメラのシャッターを切った。

銀ノ座を散策するとこんなことも起る日曜は午後、歩行者天国でのこと。


 

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2017年12月12日 (火)

楽器店ヤマーノ 同窓会篇⑦

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“皇居通り抜け”から銀ノ座に出て、楽器店ヤマーノで前日目ぼしをつけたCDを購入する。

ソプラノの幸田浩子、最新CD『優歌』ではJ・ポップを歌う。ニッキ・パロット『遙かなる影~バート・バカラック・ソング・ブック』はタイトル通りバカラックを。デイビッド・ワトキン『J・S・バッハ 無伴奏チェロ組曲』、店内のヘッドフォンで試聴した限りだが豊かな低音の印象。ロベルト・オルサー『TORRE DEL LAGO』(ソロピアノ)はJAZZで定評のある澤野工房が手掛けている。歌が聴きたかったのでヴォーカルが2枚になる。

音楽はハイレゾの時代となり確かに音はいい。しかし、パソコンの立ち上げを含め操作が面倒である。私的にはまだパッケージソフトが安心できる。レコードは荷物になるので今回は断念した。


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2017年12月11日 (月)

風邪をひいた

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東ノ都から戻った翌朝、咳で目が覚めた。熱は出ないがそのまま咳が続き、角ノ医者へ駆け込んだ。薬を4日分もらい、今は静かに過ごしている。東ノ都では満員電車にも乗ることができた。風邪の菌をどこでもらったのか、わからない。


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2017年12月10日 (日)

大黒さまへ

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ずっと空が曇り、雪落としの雷が轟くと海にハタハタがやってくる。

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12月9日、イナカーナの家々は七福神の一人である『大黒さま』をお迎えするお歳夜をした。お膳に左下から黒豆入りご飯、黒豆とタイコンの酢の物、ナットウ汁、数の子、香の物、焼き豆腐の田楽、ハタハタの田楽が供えられた。ちなみにお膳は大黒さまが召し上がれるように神棚へ正面が向くように置く。

深夜、お膳を前にした大黒さまはひげを撫でながら供えられた品々を眺めまわした。そしておもむろに箸袋を手にすると木箸をするりと取り出した。大黒さまのことだから「今年はどれから食べよかな・・・?」なんて、迷い箸なんてしない、しない。


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2017年12月 9日 (土)

通り抜けてみた 同窓会篇⑧

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12月4日の月曜。皇居の坂下門から乾門までのおよそ750メートルを30分ほどで、急ぎ通り抜けた。もう紅葉は盛りを過ぎていたが皇居の中を歩けただけで充分に良かった。

ちょうどその頃、ゾロゾロ歩く人の多さよとはお構いなく、皇居ノ森のタヌキは「エサはたくさんあるし、税金もないし、こんな住みやすいところったらないな・・」とつぶやきながら落ち葉の匂いをクーーンと嗅いだ。冬がすぐ目の前だ。


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